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題名:スヘルデの戦い 公開:2021年 上映時間:124分 ジャンル:戦争 製作国:オランダ・リトアニア・ベルギー  

主人公はマリナス・ファン・スタフェレン、主演はギース・ブロム、監督はマティス・ファン・ヘイニンゲン・ジュニア、配信元:ネットフリックス

第二次世界大戦末期のあまり知られざる戦いを、静かな筆致で描き出した佳作です。

物語は1944年9月、連合軍がベルギーから迫る中、オランダ南西部ゼーラント州のスヘルデ川河口を舞台に展開します。親独派の市長事務所で働くテウンチェ・フィッサーは、医師の父とともに中立を保とうとしますが、抵抗運動に参加した弟ディルクの逮捕を機に、運命の渦に巻き込まれていきます。一方、東部戦線から転属してきたオランダ人志願兵マリヌス・ファン・スタヴェレンは、ドイツ軍司令官の秘書として同情を抱きながらも、命令に縛られます。また、マーケット・ガーデン作戦で不時着したイギリス軍グライダーパイロットのウィル・シンクレア軍曹らも、氾濫した湿地帯で孤立し、苛烈な現実を突きつけられます。

三つの視点——レジスタンス、ドイツ側義勇兵、連合軍兵士——が交錯する構成は、戦争の多面性を浮き彫りにします。特にラスト25分からのワルヘレン島攻防戦は圧巻で、潮汐図を巡る密輸作戦と、泥と血にまみれた正面攻撃、側面からの奇襲が織りなす緊張感は、見る者の胸を締めつけます。空挺降下や戦闘の描写は、リアリティに富みながらも、派手さを抑えた抑制的な演出が却って迫力を増しています。

全体を通じて漂うのは、希望の薄明かりを頼りに生きる人々の物悲しさです。ノルマンディー上陸後のこの戦いは、戦略上重要でありながら「忘れられた戦い」と呼ばれるように、個人の犠牲があまりに大きかったことを思い起こさせます。マリヌスとシンクレアの短い遭遇、そして互いを解放する瞬間は、戦争の非情さと、わずかな人間性の残照を象徴しているように感じられました。

主演ギース・ブロムをはじめ、キャストの演技は自然で、感情の機微を静かに伝えます。戦闘シーンは確かに見事ですが、それ以上に、日常が一瞬で崩れゆく悲哀が心に残ります。派手な娯楽作を求める方にはやや重く感じられるかもしれませんが、史実を基にした誠実な戦争ドラマとして、じっくりと味わう価値があります。静かな余韻を残す一編です。戦争の終わりを目前にしながら、自由への代償の大きさを改めて考えさせられます。

評価:

物語の深み ★★★★☆、戦闘描写 ★★★★☆、全体の完成度 ★★★★☆、(5段階評価で平均4つ星。

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