主人公は女性警官のエレノア・ファルコ、主演はシェイリーン・ウッドリー、監督はダミアン・シフロン、配信元:プライムビデオ
静かな緊張感を基調とした異色の捜査劇である。
大晦日の夜、ボルチモアのダウンタウンで花火が上がる中、正体不明の狙撃犯が一瞬にして29人を射殺する。爆薬で痕跡を消し去る犯行は、訓練されたプロの所業を思わせる。駆けつけた女性警官エレノア・ファルコ(シェイリーン・ウッドリー)は、事件に巻き込まれながらも、その鋭い直感を示す。FBI捜査官ジェフリー・ランマーク(ベン・メンデルソン)が指揮を執り、エレノアをチームに迎え入れる。彼女の「撃ち手は狂っている」という言葉に対し、ランマークが「蚊を叩いているだけだ」と返すやり取りが、物語の核心を静かに予感させる。
捜査は淡々と進む。犯人は古いライフルを使い、足跡を巧みに隠す。モールでの二度目の大量殺戮では、試着室で服を盗んだ疑いから再び暴発し、ウージーと手榴弾で警備員や買い物客、SWATチームを次々と倒して逃走する。エレノアとランマークは監視映像や遺留品から、犯人が単なる殺戮者ではなく、極めて計算高い「日常」を求める人間であることに気づく。挑発的なケーブルニュースが事件を煽る中、容疑者の影が徐々に浮かび上がる。
見どころは、ラスト25分からである。メリーランド州の田舎にある犯人ディーンの実家。母親との対峙、ランマークへの遠距離狙撃、そしてエレノアとディーンの長い対話。哲学的な言葉が交わされる中で、ディーンはエレノアに奇妙な共感を抱く。母の懇願、爆薬の仕掛け、息をのむような心理戦。派手なアクションに頼らず、会話と沈黙で緊張を高める演出は、監督ダミアン・シフロンの力量を感じさせる。
本作の魅力は、FBIの捜査劇という枠組みでありながら、アクションを抑え、登場人物たちの淡々とした哲学的な会話に重きを置いている点にある。大量殺戮の犯人を追う過程で、暴力の根源、社会の在り方、人間の孤独が静かに問いかけられる。エレノアの内面的な葛藤や、ランマークとの信頼関係も、物語に深みを添える。派手さはないが、観終わった後に妙な余韻が残る。まるで、事件の「謎」を解くというより、人間の「闇」を覗き込むような感覚だ。
全体として、丁寧に練られた脚本と、ウッドリーの抑制された演技、メンデルソンの重厚な存在感が光る。スリラー好きにはやや物足りないかもしれないが、心理描写を重視する観客には静かな満足を与えてくれる作品である。
評価:
ストーリー ★★★☆☆、演出・雰囲気 ★★★★☆、演技 ★★★★☆、全体 ★★★☆☆(3.5/5)
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