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題名:シー・セッド その名を暴け 公開:2023年 上映時間:135分 ジャンル:ドラマ 製作国:アメリカ   

主人公はニューヨークタイムズの女性記者のミーガン・トゥーイーとジョディ・カンター、主演はキャリー・マリガンとゾーイ・カザン、監督はマリア・シュラーダー、配信元:プライムビデオ

静かなる怒りと、言葉の持つ力を丁寧に描いた力作である。

2017年、ニューヨーク・タイムズの女性記者ミーガン・トゥーイー(キャリー・マリガン)とジョディ・カンター(ゾーイ・カザン)は、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインによる長年にわたる性加害の事実を、徹底した取材をもとに暴いていく。監督はマリア・シュラーダー。実話に基づくこの物語は、単なるスキャンダル暴露劇ではなく、構造的な沈黙を破るための、極めて困難な闘いの記録である。

取材は極めて困難を極める。被害者たちは、警察に訴えても証拠不十分で事件化されず、弁護士からは「示談」を勧められる。示談は一見被害者にとって合理的にも見えるが、結果として加害者に秘密保持契約を結ばされ、口を封じられる仕組みとなっていた。マスコミの忖度、世間の偏見、家族の無理解、さらには自身の将来への不安が重なり、誰もが声を上げられなかった。そこには「性加害者を守るための法制度」と「社会の沈黙の構造」が、巧妙に絡み合っていた。

ミーガンとジョディは、そんな厚い壁に正面から挑む。妊娠中でありながら取材に復帰したミーガンと、粘り強く被害者と向き合うジョディ。二人の姿勢は、決して派手ではない。しかし、電話一本一本、対面取材一つ一つに込められた真摯さと執念が、静かに胸を打つ。特に、ラスト24分から始まる編集長ディーン・バケットとともにワインスタイン本人と直接対峙する場面は、息を詰めて見守るしかない緊張感に満ちている。被害者たちが徐々に名乗り出る過程は、まるで重い扉がゆっくりと開いていくようだった。

この作品が優れているのは、被害者や記者を単に「英雄化」しない点にある。彼女たちもまた、恐怖と葛藤を抱えながら、それでも前に進もうとする人間として描かれている。声を上げることで新たな傷を負う可能性を、決して軽く扱っていない。

観終わった後、手のひらに汗がにじむほどの緊張が残った。何十年にもわたり機能してきた「加害者を守るシステム」を、わずか二人の記者と、勇気を出した被害者たちの連帯が揺るがせた事実は、ただただ重い。容易ではない現実の中で、それでも真実を追い求めることの尊さと、言葉の力を改めて思い知らされた。

評価:★★★★☆(4.5/5)

静かでありながら、確かな熱量を持った、現代のジャーナリズムの意義を問いかける良質な社会派ドラマである。

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