世界は、目に見えぬ謎の存在に覆われている。その存在は人々の負の感情を巧みに操り、一部を「予言者」と変え、ほとんどの者を自殺へと導く。屋外では目隠しをするのが唯一の防衛策という、理不尽で不気味な終末世界。舞台は荒廃したスペイン・バルセロナ。主人公セバスティアン(マリオ・カサス)と娘アンナの親子は、生き延びるために静かに旅を続けている。
ある日、セバスティアンは生存者のグループと出会う。発電機のありかを知っていると申し出、バス格納庫の避難所に迎え入れられる。だが翌朝、彼はバスを運転して外へ出し、衝突させる。目隠しをしていない者たちを一人ずつ存在に晒し、次々と自殺へと追い込む。実はセバスティアンは予言者であり、その存在を「天使」と信じ、人々を「救う」使命を帯びていた。アンナはそんな父を祝福し、さらに「迷える羊」を探すよう促す。
物語は9か月前に遡る。電力会社に勤めていたセバスティアンは、突然の異変に妻から電話を受け、アンナの学校へ急ぐ。集団自殺の波に巻き込まれそうになりながらも娘を救い出すが、妻を交通事故で失う。教会に身を寄せた父娘は、存在を「天使」と説く牧師エステバンと出会う。セバスティアンが存在と対峙したとき、彼が見たのは死ではなくアンナの幻影だった。以後、アンナは常に彼の傍らにあり、「十分に人を救えば家族の元へ行ける」と告げる。
やがてセバスティアンは、犬を連れたラファ率いる別のグループと行動を共にする。物理学者のオクタビオ、カップルのロベルトとイザベル、精神科医のクレア、少女ソフィアらと共に、食料を求めてモンジュイック城を目指す旅が始まる。道中、セバスティアンの細工により存在と遭遇し、ラファが命を落とす。狂信者たちの追手が迫る中、ラスト25分から緊張が一気に高まる。セバスティアンはクレアとソフィアを車に乗せ、ゴンドラリフトへと急ぐ。命がけの選択と犠牲が、静かな決着を迎える。
見どころは、何よりラストの緊張感と、セバスティアンの内面の揺らぎにある。目に見えぬ存在ゆえの不気味さは確かにあり、予期せぬ裏切りや追跡劇はハラハラとさせられる。前作のサバイバルとは異なる、宗教的な狂信と心理描写が絡み合う点も興味深い。SFか、ホラーか、それとも信仰の物語か——境界が曖昧な作風が、かえって余韻を残す。
ただ、キャラクターの掘り下げがやや薄く、存在の脅威が視覚的に描かれない分、恐怖のインパクトは控えめかもしれない。それでも、マリオ・カサスの静かな狂気を帯びた演技は見事で、終末世界の孤独と delusion(妄想)を丁寧に体現している。
総じて、見えない恐怖と人間の心の闇を静かに抉る一作。派手さはないが、じわじわと胸に残る味わいがある。Netflixで気軽に観られるスピンオフとして、十分に楽しめるだろう。
(評価:★★★☆☆ 3.5/5)
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