主人公は億万長者の実業家ラルゴ・ウィンチ、主演はジェームズ・フランコ、監督はオリヴィエ・マセット・ドパス、配信元:プライムビデオ
巨大財閥の若き総帥ラルゴ・ウィンチ(トメル・シスレー)が、十代の息子を武装集団に奪われ、同時に自らのビジネス帝国が危機に瀕する。息子奪還と陰謀の真相解明を軸に、バンコクから雪山、留置所へと舞台を転じ、疾走するアクション・サスペンスである。敵役にジェームズ・フランコを迎えたシリーズ第3作。
物語の骨格は、ごく単純明快である。父が子を取り戻さんとする人情の筋。シーンの転換は極めて早く、アクションの手触りはリアルで、緊張感を途切れさせぬ工夫が感じられる。特に終盤25分余り、証拠を突きつけられ殺されかけながらも逃れる場面などは、見どころとして十分に機能しよう。
ただ、伏線の過多が目につく。人物の動機や背景が次々と提示されるものの、整理が追いつかず、観る者を途中で惑わせてしまう。テンポの良さが逆に、物語の輪郭をぼやかす結果となったか。ラストは続編を匂わせ、余韻を残す設計だが、全体として消化不良の印象が残る。
シスレーの硬質な身体演技は相応しい。フランコの存在感も悪くはない。しかしながら、洗練された企業サスペンスとしての深みや、人物の内面描写には、今一歩のものを感じた。娯楽作として軽快に楽しめる一方、記憶に長く留まる作品かは判らない。
評価:★★★☆☆(5段階中3)
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