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題名:ロングウォーク 公開:2025年 上映時間:108分 ジャンル:サバイバル・スリラー 製作国:アメリカ 

主人公はレイモンド”レイ”ギャラティ、主演はクーパー・ホフマン、監督はフランシス・ローレンス、配信元:プライムビデオ

スティーブン・キングの初期長編を、『ハンガー・ゲーム』シリーズの監督が映像化した作品である。舞台は、内戦後の全体主義的なアメリカ。深刻な不況のなか、政権は「ロングウォーク」と称する年次行事を設けた。各州から一人ずつ、計五十人の少年が選ばれ、時速三マイルを下回るか立ち止まった者は警告ののち処刑される。最後の一人が勝者となり、多額の賞金と一つの願いを叶える権利を得る。参加は建前上任意であるが、家族の暮らしを案じて志願する者が大半を占めるという。

メイン州出身のレイモンド・“レイ”・ギャラティ(クーパー・ホフマン)は、母の制止を振り切り、スタートラインに立つ。彼はピーター・マクヴァリーズをはじめとする少年たちと道中を共にし、徐々に絆を深めていく。過酷な行進のなかで次々と命が失われていく様は、淡々とした描写のなかに静かな残酷さを湛えている。

物語の骨格はきわめて単純である。立ち止まった者は死ぬ――ただそれだけの規則が、少年たちの心身を容赦なく削り取っていく。華やかなスペクタクルを排し、歩くという行為そのものに観客の視線を縛りつける手法は、監督の力量を示すものと言えるだろう。ホフマンの素直で誠実な表情と、相棒役の若者たちの自然な息遣いが、極限状況下の人間関係に微かな温もりを与えている点も評価に値する。

しかしながら、物語が終盤に差し掛かり、勝者が開催側の責任者である少佐をライフルで射殺するに至るくだりには、いささか違和感を覚えた。復讐という私的な衝動が、それまで積み重ねられてきた集団の悲劇を、やや唐突に個人の清算へと収束させてしまう感がある。観客に「それでは何を得たのか」という問いを残す終わり方ではあるが、作品全体の重厚なトーンに比して、やや安易に響くのは否めない。

シンプルな設定を徹底して追い詰めた緊張感と、若き俳優たちの真摯な演技は確かに印象に残る。ただ、単純さを突き詰めた先に、もう一歩深い余韻を求めてしまうのもまた、観る者の正直な心情であろう。

評価:★★★☆☆(5段階中3)

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