主人公はワンカルビ派の“クマの手”ギョンチョルと“石頭”テヨン、主演はオ・デファン、監督はコ・フン、配信元:プライムビデオ
ワンカルビ派の若き幹部、「クマの手」ことギョンチョルと「石頭」テヨン。ボスの誕生日を祝う宴席は、突如としてサムゴリ派の襲撃に見舞われ、彼らの世界は一変する。ボスを失い、追われる身となった二人は、それぞれ教会と寺門に身を潜める。潰れかけた教会の牧師として説教壇に立ち、不良学生らと対峙しつつ場を清めるギョンチョル。一時的な行者として寺に隠れ、修行を怠りつつもチンピラを追い出すテヨン。対照的な日常のなかで、二人は徐々にかつての荒々しさを脱ぎ捨てていく。
一方、刑事ドピルはサムゴリ派の凶行により、愛するハムスターを奪われる。童子の霊に取り憑かれた彼は、復讐の念に駆られて生き残った二人を捜し出し、共闘を申し出る。宗教者とシャーマン、そしてかつてのやくざが奇妙に結びつき、物語は急転する。
筋立ては極めて単純である。ボスを失った手下たちが、信仰の場に身を寄せて更生の機を得る、という型どおりの筋書きに過ぎない。だが、監督コ・フンはそれを過剰に飾り立てず、淡々と、時に大胆に運んでいく。ギョンチョルが牧師として教会を整え、テヨンが寺の片隅で過ごす日々の描写には、暴力の世界から離れた静かな息づかいが感じられる。ドピルの霊的な憑りつきも、奇抜でありながら笑いに転じる工夫が効いている。
見どころは、終盤二十分を過ぎてからの一気の展開にある。三人はサムゴリ派の取引現場に踏み込むも、内部の裏切りにより捕らえられる。学生を人質に取られた末、舞台は再び教会へと移る。ファン一味はすでに不在で、ドピルとファンの乱闘がそこで繰り広げられる。この最後の乱闘が、予想外の滑稽味を帯びて観客の笑いを誘う。悲劇と喜劇の境を、軽やかに跨ぐ手腕がここにある。
全体として、深い人間ドラマを求める向きには物足りぬかもしれない。しかし、粗野な男たちが宗教の衣をまとい、奇妙な連帯を築く過程には、ほのかな温かさと痛快さがある。韓国コメディの軽快なリズムを楽しむに足る一本と言えよう。
評価 ★★★☆☆(五段階中三)
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