主人公はスター歌手のアシスタントのマギー・シャーウッド、主演はダコタ・ジョンソン、監督はニーシャ・ガナトラ、配信元:プライムビデオ
ダコタ・ジョンソンが演じるマギー・シャーウッドは、伝説的R&Bシンガー、グレース・デイヴィスの長年パーソナルアシスタントを務めている。音楽プロデューサーへの道を密かに志す彼女が、歌手志望の青年デイヴィッドと出会い、自らの才能を試す機会を得る一方で、グレースのキャリアの岐路にも向き合う物語だ。ニーシャ・ガナトラ監督による、音楽業界の現実と夢を丁寧に描いたドラマである。
本作の魅力は、音楽プロデューサーという裏方への情熱を軸に、女性の挫折と成長を静かに、しかし確実に紡いでいく点にある。グレース役の存在感もさることながら、マギーの内面的な葛藤をダコタ・ジョンソンが抑制の利いた演技で体現している。特に後半、彼女がプロデューサーとして一歩を踏み出す過程は、観る者に静かな感動を与える。
見どころは終盤の約20分から訪れる展開だ。長年の関係の中で積み重なった思いが、遠回しに、しかし確かに通じ合う様子は胸を打つ。ラストのステージシーンと新曲の響きは、物語の集大成として極めて美しい。
プロデューサーを目指す女性の成功譚として、決して派手ではないが心に残る一作に仕上がっている。最後の意外なひねりも、計算されつつも心地よく決まる。音楽映画として、楽曲のクオリティも高く、プライムビデオで気軽に観られる点も嬉しい。
音楽と人間ドラマのバランスが良く、再見の価値もある作品だ。夢を追い続けることの尊さと難しさを、品よく描き切った良質なエンターテインメントである。
総合評価:★★★★☆(4.0/5.0)
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