主人公は「ザ・クーリエ」/シブル、主演はジェフリー・ディーン・モーガン、監督はハニー・アブ・アサド、配信元:プライムビデオ
主人公の運び屋「クーリエ」は、廃墟のアパートでネズミをペットにしながら孤独に暮らす。旧友スティッチのボクシングジムを訪れた折、見知らぬ男たちに銃を突きつけられ、悪名高い暗殺者「イーヴル・シブル」へスーツケースを届けるよう命じられる。拒否の自由はなく、失敗すれば愛する者たちも殺されるという脅しに、彼は手付金を受け取り、任務に就く。
FBIのデータベースを探り、養女アンナをパイロットに迎え、シブルを追う過程で殺人事件が連鎖する。セントルイスでの拘束、顔写真の入手、ニューオリンズでの遭遇、ジャック・ストローとの邂逅とその死、警察への一時逮捕と釈放、依頼人がFBI関係者であることの発覚――と、追う者と追われる者の立場が徐々に逆転していく。シブル側の暗殺者カポ夫妻によりスティッチが殺害され、クーリエとアンナは一夜を共にしたのち、反撃を余儀なくされる。
物語の骨格は単純明快で、凄腕の運び屋が依頼を遂行する過程を描くものだ。しかし終盤、暗殺者夫婦を返り討ちにしたあたりから、クーリエの不死身ともいえる強靭さが際立ち、リアリティを超えた印象を残す。シーンの展開はスピーディで、アクションは洗練されており、特にラスト25分以降の緊迫感は見どころに値する。ミッキー・ロークが演じる人物の最後の言葉――二度と息子に会えない、という吐露――は、物語全体の余韻を曖昧に残し、解釈を観る者に委ねる。
全体として、娯楽性は十分に確保されているものの、キャラクターの内面描写や因果の積み重ねにはやや粗さが目立つ。スピード感とアクションの爽快さを求める向きには適した一本といえよう。
評価:★★★☆☆(3/5)
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