主人公はグループのリーダーのシウォン(獅王 / Lion):、主演はイーキン・チェン、監督はチン・ガーロウ、配信元:プライムビデオ
孤児として育った五人の男たちが義兄弟となり、傭兵集団「The Agency」を離脱して五年。ハンガリーのブダペストで再び集い、アフリカの子供たちを救うために薬のトラックを強奪する計画を立てる。しかし、トラックの中身は薬ではなく金塊であり、裏切りが露わになる。銃撃戦の末にリーダーのライオン(イーキン・チェン)は投獄され、義父分のチョー・サーは傷を負い、裏切り者は組織のボスの座を奪う。刑期を終えたライオンは兄弟たちと再会し、日本で一時の平穏を味わうが、最終盤、奪われたものを取り戻すためにモンテネグロの要塞化した離れ小島へと強襲を仕掛ける。
物語の骨格は至って単純明快である。幼なじみの五人が傭兵として生き、絆を試され、復讐と贖罪の道を辿る――という成長と決着の図式は、目新しいものではない。にもかかわらず、この作品は退屈を感じさせない。それは、シーンの切り替えが極めて速く、無駄を削ぎ落としたテンポの良さにある。アクションの連続は、単なる派手さではなく、兄弟たちの身体を通じて「生きるための技術」として描かれ、観客の呼吸を合わせるように展開する。特にラスト25分以降の攻防は、物語の核を凝縮した見せ場となっており、要塞化された島への正面突破という選択そのものが、彼らの生き様を象徴している。
ジャッキー・チェンがプロデュースに名を連ねるだけあって、香港アクションの伝統をきちんと継承しつつ、現代的なスピード感を加えている点は評価に値する。派手な殺陣に頼りすぎず、兄弟愛と裏切りの感情の機微を、過剰な説明を避けて身体表現に託しているところに、監督の抑制の効いた手腕がうかがえる。ストーリーの単純さは欠点ではなく、むしろ清々しいまでの潔さとして機能している。シリーズ化を望む声が上がるのも、納得できる出来映えだ。完成度の高い娯楽作として、十分に楽しめる一本である。
5段階評価で4。
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