主人公は家長のカン・デグ、主演はパク・インファン、監督はキム・ジウン、配信元:プライムビデオ
山深いロッジを改装し、静かに暮らそうとした一家のもとに、次々と客が訪れる。家長カン・デグ(パク・インファン)を中心に、妻、弟、成人した三人の子供たち。最初はただのハイカー、次は若いカップル……。しかし彼らは揃って不運な死を迎え、家族は遺体を森に埋め始める。事態は次第に予測不能な方向へ滑り落ちていく。
本作の魅力は、ブラックユーモアの絶妙な塩梅にある。死体処理のたびに生まれる家族のぎこちない会話、予想外の生き返り、誤った暴力、そしてそれでも続かざるを得ない「隠ぺい」の連鎖。笑いと戦慄が奇妙に絡み合い、決して下品に堕ちないのが秀逸だ。特にパク・インファンの、困惑しつつも一家をまとめようとする父親像が実に味わい深い。
2000年代初頭の韓国映画黄金期を予感させる作品で、当時すでに実力派として知られた俳優陣が顔を揃えている点も見逃せない。ストーリー自体はシンプルながら、家族が巻き込まれる「不幸の協奏曲」として、テンポよく展開する。ラスト25分以降の狂騒は特に圧巻で、計画の狂い、潜入捜査官、ヒットマンの乱入がもたらす混乱は、笑いを通り越して一種のカタルシスすら覚える。
ただ、ホラーとしての恐怖は控えめで、あくまで「可笑しくも哀しい」人間模様を楽しむ作品と言えよう。終盤、ようやく平穏を取り戻したかのような食卓シーンでさえ、物音にびくつく一家の姿には、思わず苦笑がこぼれる。
全体として、キム・ジウン監督の後の傑作群を予見させる、軽やかで毒のある一編である。
評価(5段階)
総合:★★★★☆、ユーモアのセンス:★★★★★、家族描写:★★★★☆、ラストの締め:★★★★☆
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