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題名: NOPE/ノープ 公開:2022年 上映時間:130分 ジャンル:ホラー 製作国:アメリカ   

主人公はオーティス・ヘイウッド・ジュニア、主演はダニエル・カルーヤ、監督はジョーダン・ピール、配信元:プライムビデオ

ヘイウッド家は、父の代から馬の調教を生業とする牧場を営む。ある日、父オーティス・シニアは空から落ちてきたコインに頭を撃たれ、突然の死を遂げる。口下手の長男OJ(ダニエル・カルーヤ)と、明るく話上手な妹エメラルドは牧場を継ぐが、仕事は思うように進まない。近所のテーマパーク「ジュピターズ・クレーム」のオーナー、リッキー・“ジュープ”・パークが牧場買収を狙っていることも判明する。

やがて牧場上空に、得体の知れない「何か」が現れる。雲のように静止し、馬を次々とさらっていくその存在を、兄妹は映像に収め高値で売ることを企てる。監視カメラを仕掛け、近隣の青年エンジェルや撮影監督ホルストらを巻き込みながら、事態は予想を超えた方向へ加速していく。

見どころは、何と言ってもラスト25分からの緊迫のクライマックスである。OJが自ら囮となり、名付けて「ジージャン」と呼ぶその存在をギリギリまで引き寄せる場面は息を呑む。連続旗を翻し、捕食の本能を逆手に取る機転、そしてホルストの執念の撮影。大きな水素風船のマスコット人形を飲み込ませての爆発など、ユーモアと恐怖が交錯する演出も鮮やかだ。嵐の夜の暗闇に浮かぶ異形のシルエットは、ただ不気味なだけでなく、どこか荘厳ですらある。

ストーリー自体はシンプルながら、ピール監督は「見ること」「撮ること」「売ること」の危うさを、巧みに織り交ぜて描き出す。中盤以降は息をつく間もない展開となり、観客を画面に釘付けにする。ラストで馬ラッキーに跨るOJの姿は、静かな誇り高さと力強さを感じさせ、胸に残る。

ホラーとしてだけでなく、家族の絆や生業を守る人間の矜持を静かに問いかける作品でもある。丹念に練られた映像と音響、俳優たちの抑制の利いた演技が光る一作だ。

(評価:★★★★☆ 4.5/5)

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