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題名:誰がハマーショルドを殺したか 公開:2019年 上映時間:128分 ジャンル:ドキュメンタリー 製作国:デンマーク他  

出演はマッズ・ブリュッガー、ヨーラン・ビョルクダール、ダグ・ハマースキョルド、監督はマッズ・ブリュッガー、配信元:プライムビデオ

一九六一年、コンゴ紛争渦中に国連事務総長ダグ・ハマーショルドが搭乗した機体が墜落し、彼は死亡した。事故か、それとも謀略か。半世紀以上を経てなお謎に包まれたこの事件を、デンマークの映画作家マッズ・ブリュッガーが自ら調査の先頭に立ち、克明に追ったのが本作である。

南アフリカの一市民が、墜落機の破片と思しき金属片を保管していたことから物語は動き出す。ブリュッガーはその人物と組んで現地に赴き、戦闘機による攻撃や爆弾使用の可能性を探る。証拠の真偽が揺らぐ場面もあり、発掘作業が当局に阻まれるなど、調査は決して順調ではない。やがて焦点は南アフリカの秘密組織へと移る。真実和解委員会が公表した文書を手がかりに、白人至上主義勢力の暗躍や、医療を装った恐るべき計画の影が浮かび上がる。最終盤では新たな証言者が現れ、事件の背後に国際的な諜報活動が絡んでいた可能性を示唆する。

構成は一見単純明快である。しかしブリュッガーは、単なる過去の再検証にとどまらず、自らが現場に身を投じ、時に滑稽とも見える失敗をもさらけ出しながら、歴史の闇に光を当てようとする。その姿勢はドキュメンタリーの誠実さを保ちつつ、観る者に問いを投げかける力を持つ。事実と推測が交錯する過程を丁寧に積み重ねる手腕は、軽々しい陰謀論に堕することなく、冷徹な観察眼を感じさせる。

世界の権力構造が今なお複雑な様相を呈するなか、一人の指導者の死が何を意味したのかを改めて考えさせる作品だ。派手な演出を排した静かな語り口が、かえって事件の重みを際立たせている。

評価:★★★☆☆

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