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題名:ブラックベリー 公開:2023年 上映時間:143分 ジャンル:ドラマ 製作国:アメリカ   

主人公はマイク・ラザリディス、主演はジェイ・バルチェル、監督はマット・ジョンソン、配信元:プライムビデオ

1996年、オンタリオ州ウォータールーの小さな企業Research in Motion(RIM)。天才エンジニアのマイク・ラザリディスと親友ダグラス・フレギンは、革新的な携帯端末「PocketLink」を抱えながらも、ビジネス面で苦戦を続けていた。そんな折、野心溢れる経営者ジム・バルシリーが現れ、50%の株式と共同CEOの座を条件に自らを売り込む。こうして始まった三者の奇妙な共同作業は、やがて世界を席巻する「ブラックベリー」という伝説を生み出す。

本作は、単なる企業成功譚ではなく、野心と革新、友情と裏切り、栄光と没落を鮮やかに描いた群像劇である。技術者の純粋さとビジネスパーソンの冷徹さがぶつかり合い、瞬く間に巨大企業へと成長する過程は痛快であり、同時に危うい。2003年頃のネットワーク大規模障害やiPhoneの影が忍び寄る中盤以降の緊張感は、見る者を強く引き込む。特にラスト25分からの急展開は、観客の胸に静かな衝撃を残すだろう。

見どころは、リアルな時代考証と俳優陣の好演に尽きる。ジェイ・バルチェルの内省的で繊細なマイク像、グレン・ハワートンの強引でカリスマ的なバルシリーは、それぞれのキャラクターの危うさを的確に体現している。監督マット・ジョンソンの手腕も光り、ドキュメンタリー風の軽快さとドラマチックな深みを巧みに両立させている。

一時期、世界の携帯電話市場をほぼ独占した「ブラックベリー」の興亡劇を通じて、技術革新の儚さとビジネスの残酷さが浮かび上がる。ラストシーンで、かつての情熱を失わず一台一台の製品に向き合うマイクの姿には、静かな寂寥感を禁じ得なかった。華やかな成功の果てに訪れる現実の重みを、丁寧に、そして容赦なく描ききった佳作である。

技術と人間ドラマのバランス、時代を映す洞察力ともに優れており、ビジネス映画の新たな水準を示した作品と言えよう。スマートフォンの歴史に興味がある方は無論、企業や組織のあり方を考える上でも、ぜひご覧いただきたい一編です。

評価:★★★★☆(4.5/5)

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