主人公は競争心の強い大学1年生アレックス・ダル、主演はイザベル・フアーマン、監督はローレン・ハダウェイ、配信元:プライムビデオ
競争心の塊のような大学1年生アレックス・ダルは、物理の授業で繰り返し落第した苛立ちをバネに、ウェリントン大学のノービス・ローイング・プログラムに挑む。ボートを漕ぐという単純で過酷な反復動作の中に、彼女は自身の存在を賭ける。同じ新入生のジェイミー・ブリルが瞬く間に「最高の新人」と称されると、アレックスの闘争心はさらに燃え上がる。学業を顧みず、肉体を極限まで追い込み、バルシティチームへの昇格を果たすも、そこで彼女を待っていたのは孤独と挫折、そして自身の限界だった。
本作の魅力は、何よりイザベル・フアーマンの集中力である。小柄な体躯でボートにしがみつき、息を荒げ、時に倒れ、尿を漏らしながらも立ち上がるその姿は、痛々しくも美しい。青春の狂おしいまでの執着を、静かなカメラワークで克明に捉えた演出は、観る者の胸を締め付ける。後半、特にラスト25分からの展開は緊張感に満ち、単なるスポーツ青春譚を超えた心理描写が光る。
ストーリー自体は極めてシンプルだ。ボートという極端な競技を通じて、ひたすらにのめり込んでいく一人の少女の姿を描いている。しかしその純度の高さが、かえって心に残る。野心、嫉妬、自己破壊、そしてほのかな恋情。すべてが水しぶきと共に散っていく。
丁寧に作り込まれた佳品と言えよう。スポーツ映画を好まない方にも、ぜひ一度ご覧いただきたい。
評価:★★★★☆(4.0/5)
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