主人公は11歳のサラ・レクター、主演はナヤ・デジール・ジョンソン、監督はサイラス・ノウラステ、配信元:プライムビデオ
1900年代初頭、オクラホマ・インディアン準州。クリーク解放奴隷の子孫である11歳の少女サラ・レクターは、連邦政府から与えられた160エーカーの不毛な土地で、家族と共に貧困の淵に立たされていた。ジム・クロウ法の下、人種的抑圧が日常を覆う時代。地元の入植者たちはその土地を価値なしと嘲笑したが、サラだけは違う。土地の下に石油が眠っていると固く信じ、強い宗教的信仰と周囲の語り草に支えられ、静かな決意を燃やしていた。
両親は当初、黒人や先住民を狙う石油業者や腐敗した役人たちの搾取を恐れ、娘の夢を否定する。しかし税負担の重圧に耐えかね、土地の一部を独立系掘削業者に貸すことに。空振りに終わった後、権利書を奪いに現れる暴力的な脅威。飼い犬ブルーを探すサラは、荒々しくも人情味あるテキサスのワイルドキャッター、バート・スミスと再会する。彼の協力のもと、少女の知性と不屈の意志が、家族や仲間を巻き込みながら採掘を前へ進める。
見どころはクライマックスのラスト14分余り。敵対する大手石油会社「パン・オクラホマ」が機関銃を構えて迫る中、サラが自ら爆薬のスイッチを入れる瞬間。地鳴りとともに大規模な石油噴出が始まり、黒い黄金が大地を染め上げる光景は、圧巻の一言に尽きる。
この作品は、単なる成功譚ではない。アメリカ史の暗部――少数民族や解放奴隷の子孫に与えられた土地を巡る、殺人、誘拐、法的搾取の数々を背景に据えながら、11歳の少女の純粋な信念と勇気が、希望の光を灯す。ナヤ・デジール・ジョンソンの主演は、年齢を超えた知性と凛とした佇まいで観る者を魅了する。監督サイラス・ノウラステは、時代考証を丁寧に織り交ぜつつ、情感豊かに描ききった。
これまで同テーマの作品をいくつか目にしてきたが、ここまで心を揺さぶる少女の物語は稀有である。信仰、家族の絆、そして一人の小さな決意が、理不尽な世界を変えていく力強さに、静かな感動を禁じ得ない。家族で観るにも、歴史に思いを馳せるにも、十分に価値ある一作だ。
評価(5段階)
- 全体の感動:★★★★★ 、主人公の魅力:★★★★★ 、クライマックスの迫力:★★★★☆ 、時代描写・テーマの深み:★★★★☆ 、娯楽性:★★★★☆
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