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題名:プロジェクト:ユリシーズ 公開:2022年 上映時間:104分 ジャンル:SF・スリラー 製作国:ドイツ・スイス 

主人公は宇宙飛行士のルイーズ・ブレイク、主演はノラ・アルネゼダー、監督はティム・フェールバウム、配信元:プライムビデオ

人類が大災害により地球をほぼ放棄し、ケプラー209へと逃れた後の世界を描くSFスリラーである。放射線による不妊に苦しむコロニーの人々は、地球が再び居住と繁殖に適するかを確かめるため、探査隊を送り出す。その一員である宇宙飛行士ルイーズ・ブレイク(ノラ・アルネゼダー)を軸に、物語は静かに、しかし容赦なく進行する。

ストーリー自体は単純明快である。人類存続のため、一度は捨てた地球へ戻る任務を帯びた一女性の戦い。展開は早く、シーンが次々と切り替わるため、観る者を退屈させない。だがその速さゆえに、いくつかの疑問が残る。なかでも、荒廃した地球で「マッズ」と呼ばれる人々がどのように生き延びてきたのかという点は、説明が不足しており、不思議な印象を拭えない。設定のスケールに比して、世界観の掘り下げがやや浅い感は否めない。

それでも、本作の真価は終盤二十分ほどに凝縮されている。ブレイクが自らの身体の変化と向き合い、抑圧された少女たちや家族を解放し、さらには父との再会へと至る過程は、単なるアクションを超えて、人間の根源的な意志を浮かび上がらせる。ギブソンなる人物をめぐる過去の真実、異母兄弟の存在など、密やかな人間ドラマがここに至ってようやく輪郭を現す。

監督フェールバウムは、派手なスペクタクルに頼らず、湿潤で荒涼とした地球の風景と、限られた共同体の中での権力と抵抗を淡々と描く。ローランド・エメリッヒが製作総指揮を務めた作品ながら、彼の大作群とは対照的に、こじんまりとした緊張感を保っている点が興味深い。主演アルネゼダーの不屈の表情が、作品全体を支える支柱となっている。

人類の存続と、捨てた大地への回帰という主題は今日的でありながら、物語は過度に哲学的になることを避け、 sensuous な緊張の中で語られる。疑問を残しつつも、最後の決断に至るヒロインの姿には、静かな感動がある。

評価:★★★☆☆(3/5)

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