主人公は中国戦国時代末期の秦の将軍信、主演は山﨑賢人、監督は佐藤信介、配信元:プライムビデオ
中国戦国時代末期、秦の飛信隊を率いる信(山﨑賢人)を中心に据えた、原作漫画の実写化第二弾である。敵将・馮忌を討ち取った夜、喜びを分かち合う隊の前に忽然と現れた謎の男。その正体は、存在を秘されていた趙国の総大将・龐煖であった。自らを「武神」と名乗る彼の圧倒的な武威の前に、仲間たちは次々と命を落とし、信と羌瘣も重症を負って戦列を離れる。さらに趙将・万極の夜襲が襲いかかり、重傷の信を守りながらの決死の脱出が始まる。尾平・尾到の兄弟は信を担ぎ、血の跡を残さぬよう別行動を取るが、尾到は傷が深く、静かな別れを迎える。再集結した飛信隊は、隊員を半分以上失い、わずかに三十六人となっていた。
一方、王宮では楊端和が訪れる。山の民の勢力がかつてなく強大となり、北の騎馬民族・匈奴とぶつかる地点まで広がったという。だがそこには、十万を超える匈奴の屍が横たわっていた。楊端和によれば、それをなしたのは趙軍であり、情報を巧妙に封鎖した策略家・李牧の存在が浮かび上がる。敵陣に突撃した蒙武は龐煖を追うが、それは偽者であり、軍は包囲される。王騎はその異様な気配をいち早く察知し、本軍を率いて救援に赴く。騰率いる騎馬隊と飛信隊の突撃が趙軍の本陣を揺るがし、王騎自らが龐煖との一騎打ちに臨む。互角の攻防の中、龐煖が六将・摎の名を口にした瞬間、王騎の動きは一変する。
咸陽では、昌文君が政に、摎に関する秘められた過去を明かす。若き日の昭王の時代、王騎の軍に仕えていた召使いの子・摎が、実は昭王の子であったという衝撃の事実。親子であることを悟りながらも、その秘密は固く閉ざされた。終盤、騰の騎馬隊が李牧軍へ決死の突撃を敢行する中、信は王騎の馬に乗り、退路を切り開く。王騎は信に「将軍の見る景色」を説き、瀕死の身で軍の全権を騰に譲り、蒙武に未来を託し、信に自らの矛を手渡して息絶える。
物語の骨格は、少年が代将軍を目指し、百人隊長へと歩を進める王道の筋立てであり、複雑さはない。だが、その単純さこそが、原作の熱と時代の息吹を純粋に伝える力となっている。佐藤監督は原作に極めて忠実に、戦場の広大なスケールと、個々の将軍が繰り広げる剣舞のごときアクションを、緊張と美しさを失わぬ画面に昇華させた。迫力満点の戦闘描写は、単なるスペクタクルを超え、将としての覚悟と魂の継承を静かに、しかし鮮烈に浮かび上がらせる。大将軍の魂は、確かに我々の胸にも宿る。続編への期待を抑えがたい一作であった。
評価:★★★★☆(5段階中4)
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