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題名:THEWILD 修羅の拳 公開:2024年 上映時間:110分 ジャンル:ドラマ 製作国:韓国   

主人公は元ボクシング選手のウチョル、主演はパク・ソンウン、監督はキム・ボンハン、配信元:プライムビデオ

元ボクシング選手のウチョルは、違法賭博の試合で相手を誤って死なせ、八年の刑期を終えて出所する。静かな暮らしを望む彼を待ち受けていたのは、古くからの友人で犯罪組織を率いるドシクからの誘いであった。それを丁寧に拒んだウチョルのもとに、偶然、コールガールのミョンジュが現れる。彼女の身にまとわりつく影を見過ごせぬまま、彼は汚職刑事ジョンゴンに拳を振るってしまう。逮捕を免れる代償として組織の一端に身を置き、やがて脱北者らによる麻薬の世界へと引き込まれていく——。

物語の骨組み自体は、出所した男が再び修羅の巷に沈んでゆく、きわめて古典的な犯罪劇の枠を出ない。にもかかわらず、画面の運びは意外なほど軽やかで早い。説明過多を避け、人物の表情と拳の軌跡だけで事態を進め、終盤の二十数分に至って一気に捻りを加えてみせる手腕は、なかなかに巧みである。特にラスト近く、人質となったミョンジュを救わんとするウチョルの行動と、そこから生じる裏切りの連鎖は、単純な勧善懲悪を超えて、人間の業の深さを淡々と浮かび上がらせる。

パク・ソンウンのウチョルは、寡黙にして内に炎を秘めた好演である。拳の鋭さだけでなく、静かに生きたいと願う男の諦めと、ふと湧き上がる優しさの両面を、過不足なく体現している。脇を固めるオ・デファン、オ・ダルス、チュ・ソクテらの達者な悪役ぶりも、作品の密度を高めてくれる。

全体として、大仕掛けな社会批判や心理の深掘りを求める向きには物足りぬかもしれない。しかし、テンポの良さといささかの意外性をもって、観る者を最後まで引きずる力は確かにある。プライム・ビデオなどで手軽に触れられる現代韓国ノワールの、一典型として味わってよい出来映えであろう。

評価:★★★(五段階中三)

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