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題名:罪人たち 公開:2025年 上映時間:137分 ジャンル:ホラー 製作国:アメリカ  

主人公はイライジャ・“スモーク”・ムーアとイライアス・“スタック”・ムーア、主演はマイケル・B・ジョーダン、監督は
ライアン・クーグラー、配信元:プライムビデオ

一九三二年、ミシシッピ・デルタの片隅。第一次大戦を経てシカゴの暗黒街で名を成した一卵性双生児が、故郷クラークスデールに戻り、盗んだ金で廃材所を買い取り、黒人共同体のためのジューク・ジョイントを開く。そこにアイルランド系の吸血鬼レミックが忍び寄る。ブルースの調べが、過去と未来の霊を呼び覚まし、同時に死の宴をも招き寄せるという、奇妙にして壮烈な一夜を描いた作品である。

筋立て自体は、むしろ率直といってよい。故郷に根を下ろそうとする男たちの野望と、それを一気に呑み込む超自然の脅威。クーグラー監督は、しかし、この単純な骨格に、時代の重みと音楽の霊性を丁寧に織り込んでいる。シーンの運びは快速で、冗長を嫌う。ブルースの旋律が画面を押し進め、登場人物たちの息づかいと溶け合い、物語に独特の律動を与える。特に店開きの夜の演奏場面は、音楽が単なる背景ではなく、記憶と欲望と呪いを同時に喚び起こす力として機能しており、斬新な印象を残す。

ラスト25分過ぎからの乱闘は、血腥さと様式美が同居する。激怒する中国人商店主夫婦や、フードゥーを信ずるアニーたちの死、日の出に焼かれる吸血鬼の群れ——いずれも過剰を避けつつ、劇的なカタルシスをきちんと届ける。酒場を舞台にしたクライマックスは、むしろ洒落た手際さえ感じさせる。マイケル・B・ジョーダンの二役は、兄弟の微妙な差異を肉体で描き分け、安定した存在感を示している。

音楽と暴力、共同体の希望と「罪」の影。ジャンル映画の枠を借りながら、南部の土地と人々の息づかいを映し出そうとする監督の姿勢は、誠実である。物語の骨組みが平明なだけに、かえってその誠実さが際立つ。爽快な娯楽として十分に楽しめ、なおかつ残る余韻もある佳作といえよう。

評価:★★★★☆(五段階中四)

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