主人公は元刑事のピーター・ウィルス、主演はロバート・デニーロ、監督はジェームズ・アシュクロフト、配信元:ネットフリックス
物語は単純である。1990年代に少年連続殺人を犯した「ウィスパーマン」ことフランク・カーターの模倣犯が、再びギャレットンの町に影を落とす。行方不明の少年ニールの遺体発見から始まり、妻を亡くした小説家トムとその息子ジェイクの静かな日常が、徐々に侵食されていく。ピーターは娘婿のトムに請われて捜査に加わり、現役の女性刑事アマンダと共に過去の亡霊と向き合う。
展開は決して速くはない。しかし、伏線が丁寧に散りばめられ、画面の至るところに不穏な気配が漂う。想像上の友人を持つ少年の純粋な視線、郵便受けから伸びる手、地下室に潜む影。こうした細部が積み重なるたび、観る者の背筋に冷たいものが走る。緊張は最後まで解けることがなく、特に終盤25分の疾走は、静かな恐怖を一気にクライマックスへ運ぶ。
デ・ニーロの枯れた佇まいは、過去の罪と家族の断絶を一身に背負った男の重みをよく伝えている。ラスト近くに差し込まれる一枚の少女の写真は、物語に新たな謎を添えて余韻を残す。幼児・少年を狙う連続誘拐殺人という題材を、煽情に流れず、父子の絆と喪失の痛みを軸に描いた点は評価に値しよう。
五段階評価 ★★★★☆(4)
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