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題名:悪魔と夜ふかし 公開:2024年 上映時間:93分 ジャンル:ホラー 製作国:アメリカ 

主人公はジャック・デルロイ、主演はデヴィッド・ダストマルチャン、監督はコリン・ケアンズ、配信元:プライムビデオ

1977年のハロウィンの夜。ニューヨークの放送局UBCが送る深夜トーク番組「ナイト・オウルズ」の生放送を、ほぼリアルタイムに追い続ける本作は、一見素朴な設定でありながら、映像の持つ特異な緊張感によって観る者を強く引き込む。

主演のデヴィッド・ダストマルチャンが演じるジャック・デルロイは、愛妻の死を乗り越えて番組に復帰した司会者である。視聴率の低迷に苦しむ彼とプロデューサーは、オカルトを題材としたスペシャルを企画し、ついに「悪魔の生出演」を実現させようと画策する。霊媒師や懐疑的なゲスト、そして「悪魔が憑く」とされる少女リリーが次々と登場する過程は、1970年代のテレビ文化を巧みに模倣した画面構成によって、奇妙な臨場感を帯びて進行する。

物語自体は極めて単純である。視聴率を取り戻すために禁断の領域に手を伸ばした男が、自ら招いた災厄に直面するという、いわば古典的な因果応報の構図に過ぎない。しかしながら、その単純さがかえって効果を発揮する。特にラスト25分を過ぎてからの展開は、悪ふざけを繰り返すゲストが突然の惨劇に巻き込まれる場面を契機として、一気に緊迫の度を高める。生放送という枠組みを崩さぬまま、画面の中で起こる異変が徐々に観客の側にも侵食してくるような感覚は、久方ぶりに手に汗を握らせるものであった。

監督コリン・ケアンズ(および共同監督のキャメロン・ケアンズ)は、時代考証に徹した擬似ドキュメンタリー的手法を徹底し、現代の視聴者に「当時のテレビを見ている」錯覚を与えることに成功している。ダストマルチャンの演技も、華やかさと内面の危うさを同居させた好演である。

単純な物語を、形式の工夫と緊張の持続によってここまで持ちこたえた点に、本作の価値がある。ホラーとしての純粋な楽しさを、真面目に追求した佳作と言えよう。

評価:★★★★☆(5段階中4)

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