主人公はミッキー・バーンズ、ミッキー2〜18、主演は ロバート・パティンソン[、監督はポン・ジュノ、配信元:プライムビデオ
遠い未来、氷の惑星ニフルヘイムへの殖民計画に参加したミッキー・バーンズは、「エクスペンダブル」として危険な任務を引き受け、死後は記憶を引き継いだクローンとして蘇る運命を背負う。物語は、その17番目のミッキーが偶然生き延び、すでに印刷された18番目の自分と対面するところから、奇妙で緊張に満ちた展開をみせる。
この作品が扱っているのは、きわめて古典的でありながら今なお新鮮な問いである。同一の記憶と人格を持つ二つの「自己」が同時に存在したとき、魂や自我はどこに宿るのか。ポン・ジュノ監督は、人体プリンティングという設定を通じて、人間の使い捨てを風刺しつつ、クローン同士の関係性に人間らしい葛藤と愛情を静かに描き出す。ロバート・パティンソンの演技は、17と18の微妙な性格の違いを丁寧に描き分け、独白のシーンでは内面の揺れが鮮やかに伝わってくる。
場面の転換は速やかで、アクションとドラマがバランスよく交錯する。とりわけ終盤、惑星の現地生物クリーパーズとの接触からクライマックスへ至る約25分間は、緊張と情感が美しく融け合い、印象深い。ミッキーの白日夢のシーンも、幻想的な映像美のなかに作品の核心を静かに映し出しており、監督の繊細な視線が感じられる。
ストーリー自体は比較的単純ながら、人間存在の根源に触れるテーマを軽やかに、しかも丁寧に扱っている点が好ましい。エンターテインメントとして十分に楽しめると同時に、観終わった後に静かな余韻を残す作品である。
評価:★★★★☆(5段階中4)
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