主人公は中古車屋の経営者テリー・レザー、主演はジェイソン・ステイサム
1971年に実際に起きたロンドンのベイカー街銀行強盗事件を基にした作品である。監督はロジャー・ドナルドソン、主演ジェイソン・ステイサムが中古車販売業者のテリー・レザーを演じている。
物語は、借金に苦しむテリーが、旧知の美女マルティーヌ(サフロン・バロウズ)から、ロイズ銀行の貸金庫強奪計画を持ちかけられるところから始まる。テリーは仲間を集め、隣接する店舗を借りて地下トンネルを掘るという周到な準備を進める。一方、裏側ではMI5のエージェントが、黒人活動家マイケル・アブドル・マリク(劇中ではマイケルX)が保管する王室スキャンダル写真の回収を狙い、マルティーヌを操っていることが明らかになる。貸金庫には、麻薬取引や警察汚職、政界の性的スキャンダルに関する証拠が詰まっており、強奪は単なる金銭目的を超えた複雑な陰謀に巻き込まれていく。
見どころは、何と言っても後半の緊張感あふれる展開だ。強奪自体は成功するものの、無線交信をアマチュア無線家に傍受され警察が動き出す。さらには、腐敗したポルノ業者や汚職警官が絡み、テリーの仲間たちが次々と脅威にさらされる。ラスト近くの追跡劇や交渉シーンは、息をのむスリルに満ち、英国らしいドライなユーモアも交えつつ、巧みに張り巡らされた伏線が回収されていく様子が爽快である。実在の事件が政府の報道規制(D-Notice)で急に沈静化したという逸話が、こうした多層的なプロットを支えている点も興味深い。
ジェイソン・ステイサムは、いつもの無敵のアクション・ヒーローとは異なり、家族を思う普通の男として抑えた演技を見せ、新鮮味がある。計画のずさんさを感じさせつつも、運と機転で切り抜ける過程は、現実の事件に基づくだけに説得力がある。全体として、派手な銃撃戦より知的な駆け引きを重視した英国製クライム・スリラーの好例だ。娯楽性が高く、歴史的な謎を織り交ぜた脚本の巧みさに感心した一作である。
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