監督は新鋭イ・テソン、主演はイム・シワン(ハヌル/カマキリ)とパク・ギュヨン(ジェイ)。殺し屋たちの仁義なき抗争と絆を描いたハードボイルド・アクションだ。迷ったら観るべき一作である。
物語は、伝説の殺し屋“カマキリ”がヤクザを一瞬で斬り伏せ、所属するMK興業のチョ代表に契約金アップを要求するシーンから始まる。拒否されると「じゃあ休暇取ります」と軽く言い残し、海外へ消える。だが休暇明け、空港で同僚ジェイからの電話がすべてを変える。チョ代表が殺され、MKは解体。帰国早々スカウト攻勢に遭うカマキリだが、彼が選んだ道は予想外だった。ジェイや後輩たちを誘い、独立して「カマキリカンパニー」を立ち上げるのだ。
前半は意外にアクション控えめで、組織を抜けるまでの駆け引きや、新会社設立の資金集め、スポンサーとの交渉など、まるで企業ドラマのような展開が続く。殺し屋たちがスーツを着てプレゼンしたり、共同代表の座を巡って口論したりする姿は、どこか滑稽でさえある。しかしこの“日常感”が、後半の地獄絵図とのコントラストを際立たせる仕掛けなのだと気づくのは、ちょうど60分を過ぎたあたりからだろう。
見どころは間違いなくラスト30分。師匠トッコ爺(名脇役キム・ジョンス)から贈られたナイフを手に、たった一人で旧MKの本拠地へ乗り込むカマキリ。そこから始まる怒涛の殺陣は、まるでゲームの難易度が一気に「ナイトメア」に跳ね上がったかのようだ。狭い廊下、階段、エレベーター、屋上……舞台が変わるたびに敵の数が増え、血の量も増えていく。イム・シワンの動きは鋭く無駄がなく、まるで本当にカマキリが獲物を狩っているかのような冷酷な美しさがある。特に雨の屋上でのジェイとの一騎打ちは、言葉ではなくナイフだけで全てを語り尽くす名シーンだ。
韓国ノワールの新潮流を感じさせるのは、殺し屋たちの“会社員”感覚だろう。契約金、退職金、ヘッドハンティング、独立起業……犯罪組織をまるで普通の企業のように扱うドライな視点が、逆に凄惨な暴力のリアリティを増幅させる。血生臭さとブラックユーモアが絶妙に同居した、近年の韓国アクションでもトップクラスの完成度である。
113分があっという間に感じる、後半一気呵回の快作。アクション好きなら必見。できれば夜、音量を上げて観てほしい。
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