MENU

ネットフリックス クロース: 孤独のボディーガード 2019年公開 94分 アクション・スリラー イギリス・アメリカ ★★★★☆

主人公はボディーガードのサム・カールソン、主演はノオミ・ラパス、監督はヴィッキー・ジューソン

近頃、Netflixで観たアクション・スリラーの中で、ひときわ印象に残ったのがこの『クロース』である。派手な爆破も銃撃戦の嵐もない、むしろ地味と言ってもいいほどの小粒な作品だが、94分という短い尺に緊張感をぎゅっと詰め込み、最後まで息もつかせぬ展開を見せる手腕は見事だ。 

物語は、南スーダンでの激しい襲撃シーンから始まる。敏腕ボディーガード、サム(ノオミ・ラパス)は護衛中のジャーナリストたちを、機転と銃で救い出す。だが本篇の主舞台は、そこから一転してモロッコの高級カスバ。巨万の富を残して急死した実業家の娘ゾーイ(ソフィー・ネリッセ)が、継母リマ(インディラ・ヴァルマ)によって命を狙われる。サムはゾーイ付きの新ボディーガードとして雇われ、要塞のような邸宅に招き入れられた夜、重武装の侵入者たちが襲来する。 

ここから先は、もう怒濤のサバイバルだ。セキュリティシステムが乗っ取られ、邸宅は完全にロックダウン。外部との連絡も絶たれ、内部に潜入した殺し屋たちが次々と警備員を始末していく。サムはゾーイを連れて脱出を図るが、助けを求めた警察すら敵に回り、カサブランカの街を徒歩で逃げ惑う羽目に。やがて二人は、信頼できるはずの上司コナル(ユエン・レスリー)とも再会するが、そこにも予想外の裏切りが待っていた。 

本作の最大の見どころは、ラスト19分に凝縮された壮絶な立てこもり戦である。放棄されたセーフハウスに戻ったサムとゾーイ。そこへ汚職警官の一団が押し寄せ、再び全館封鎖。銃弾は底をつき、罠を張り、ナイフを手に、最後の死闘が繰り広げられる。この緊張感たるや、まさにハラハラドキドキの極みだ。 

アクションは決して派手ではない。しかし、ノオミ・ラパスが演じるサムは、まさに“等身大”のボディーガードである。スーパーヒーローのような無敵感はなく、傷つき、疲れ、ときには怯えながらも、護るべき相手のために戦い続ける。そのリアルな肉体感覚が、観客に強い共感を呼ぶ。『ドラゴン・タトゥーの女』以来、硬質な魅力を保ち続けるラパスの存在感が、この地味めな作品を一級のスリラーに押し上げていると言っても過言ではない。 

監督のヴィッキー・ジューソンは、長編デビュー作とは思えぬ手堅い演出で、限られたロケーションと予算の中で最大限の緊張を引き出した。音楽も控えめで、効果音と息遣いだけで恐怖を煽る手法は、むしろ近年稀な本格派だ。 

派手さを求める人には物足りないかもしれない。だが、静かに、しかし確実に締め上げていくようなサスペンスを味わいたい方には、ぜひお勧めしたい一本である。94分、あっという間だった。

このサイトはアフィリエイト広告を掲載しています。

amazonプライムを無料で試してみる   ConoHa AI Canvas   楽天市場  マイキッチン   【駐車違反警告ステッカー】の購入|オリジナル印刷・販促のWTP企画   FREE STYLE   医療美容特化ロロント 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次