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プライムビデオ 自転車王オム・ボクトン 2023年公開 116分 ドラマ 韓国 ★★★☆☆

主人公は自転車競技の選手ウム・ボクトン、主演はピ/チョン・ジフン

日韓併合期の1930年代後半を舞台に、実在した伝説の自転車選手オム・ボクトン(主演:ピ、つまりチョン・ジフン)の半生を描いた116分のドラマである。監督はキム・ユソン。 

物語は、全朝鮮自転車大会で日本人選手に敗れた夜、反日秘密結社「愛国団」の会合が紛糾する場面から始まる。水売りの青年ボクトンは、自転車という新しき乗り物に目を奪われ、やがてその速さに取り憑かれていく。妹の嫁入り資金を弟の慶応義塾入学金に回し、家族に内緒で自転車を手に入れた彼は、盗難に遭い、京城へ出稼ぎに出る。だが詐欺に遭い、路頭に迷った末、自転車競技場に流れ着く。そこで才能を見出され、過酷な修行を経て頭角を現していく。 

並行して描かれるのは、愛国団の爆弾テロ未遂、銀行襲撃、銃撃戦といった地下抵抗運動の苛烈な現実である。ボクトン自身は政治色薄く、ただ速く走りたい一心だが、やがてその純粋さが時代に翻弄されていく。 

見どころは、なんと言ってもラスト25分。愛国団の同志ヒョンシンを自転車に乗せて警察の追跡を振り切ろうとするシーンは息を呑む。銃弾を受けながらもペダルを踏み続けるボクトン。しかし同志は絶命し、彼自身も逮捕されてしまう。ところが日本側は「朝鮮人に負けたままでは帝国の面目が立たぬ」と、再び日本人エース・カツラとの決戦いを強要する。満員の競技場、割れるような歓声の中、ボクトンは立ちこぎ(ダンシング)で一気にスパート。鼻差で勝利を掴む瞬間は、まさに圧巻だった。あの疾走感、あの汗、あの歓喜は、映画館の大スクリーンで観たかったと心底思う。 

ただ、正直に言えば、抵抗運動の線がやや過剰だった。もう少しボクトンの自転車に懸ける情熱と成長に絞っていれば、より清冽なスポーツ映画になったのではないか。反日感情を煽る描写が前面に出すぎて、肝心の「自転車で時代を駆け抜けた男」の純粋さが時折霞んでしまう。それでも、チョン・ジフンの汗まみれの演技と、ラストのダンシングシーンだけで、充分に元は取れたと感じる。 

併合期の暗い時代に、自転車という「風を切る自由」を信じた一人の若者の物語。スポーツ映画としても、時代劇としても、まずまずの味わいがあった。

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