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ライムビデオ スペシャル・フォース 2011年公開 104分 戦争・アクション ★★★★☆

ライムビデオ スペシャル・フォース 2011年公開 104分 戦争・アクション ★★★★☆:主人公はフランス人ジャーナリストのエルサ・カサノバ、主演はダイアン・クルーガー

コソボの夜闇に潜む戦犯を、フランス特殊部隊が鮮やかに仕留める。開幕のこのアクションは、観客を即座に引き込む。だが、本作の核心はそこから遠く離れたアフガニスタンの荒野へ移る。主人公、エルサ・カサノバは、ダイアン・クルーガーが演じる気骨のジャーナリスト。反戦の筆を振るう彼女が、取材先の女性マイーナの家を襲う武装集団を、ただ呆然と見送るシーン。そこに、戦争の無力感が凝縮されている。エルサ自身も、テロリストのザイエフに拉致され、パキスタンの山村に幽閉される。外務省の外圧で、60名の特殊部隊が動員されるが、現場に飛ぶのはわずか6名。リーダーのコバックス(ベノワ・マジメル)を筆頭に、精鋭たちが空挺降下で潜入する。

物語は、救出劇の息詰まる追跡劇へと加速する。偵察任務から一転、テロリストの罠に嵌まり、銃撃と爆発の嵐。合流地点をRPGで破壊され、部隊は山岳地帯へ逃亡を強いられる。1日目、村に潜入しエルサと協力者のアミンを奪還するが、即座に追撃。2日目、アフガン国境への道を選び、マイーナ一家の惨殺を知ったエルサの絶望。3日目、闇夜の待ち伏せで敵を薙ぎ払うマーチング・ファイアの迫力。ザイエフの苛烈な指揮の下、追っ手は増強される。4日目、司令官のヘリ偵察も空を切る。食料尽き、寒さに震える中、エルサの機転で村人から施しを得る一幕は、人間味を添える。

見どころは、何と言わずラストの雪山脱出。8日目、3名の隊員が交代でエルサを背負い、稜線を下る。足を痛めた彼女の苦悶、ザイエフの待ち伏せ、そして頂点の銃撃戦。監督フロリアン・ユコベルは、軍事コンサルタントの助言を活かし、リアリティを極限まで追求。ヘリの轟音、銃声の反響、息づまる緊張感が、スクリーンを震わせる。アクションの洗練ぶりは、ハリウッド顔負けだ。

この映画が印象深いのは、部隊員たちの静かな覚悟にある。エルサは軍を批判する「敵」のはず。だが、コバックスは言う。「同じ国民だ。生きたまま連れ帰る」。過酷な山岳戦、飢えと寒さの試練を越え、決して諦めぬその志。反戦のジャーナリストを、命がけで守るフランス軍の矜持に、深い敬意を覚える。戦争映画の定石を、微塵の英雄譚に貶めず描き切った一作。プライム・ビデオで観るに値する、硬派の逸品だ。

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