映画

プライムビデオ ブラック・ダイハード 2024年公開 94分 アクション・スリラー アメリカ ★★★★☆

主人公は元暗殺者ニック、主演はトム・ベレンジャー

メキシコの灼熱の街角で、DEA捜査官フアンの無残な死が幕を開ける。2024年公開のアクション・スリラー『ブラック・ダイハード』は、94分という密度の高い時空間で、元暗殺者ニック(トム・ベレンジャー)の贖罪の旅を描く。

ベレンジャーの皺だらけの顔に刻まれた過去の影が、画面を深く染め上げる。物語は二つの糸が絡み合う。ニックは、組織のスパイとして三人の悪党――武器商人ビン・ファリ、トルコ人の小児性愛者ポラー、テロの橋渡し役ムスタファ――の暗殺を強いられる。一方、相棒を失った捜査官トニーは、復讐の炎を胸に、生物兵器の陰謀を追う。

ニックの狙撃銃口がポラーを捉える瞬間、トニーの護送車が割り込み、運命の交錯が始まる。

レストラン・パララックスの薄暗いテーブルの下に仕掛けられたマイク、停電の闇に紛れる暗殺の刃――これらの伏線が、静かな緊張を積み重ねる。

見どころは、ラスト25分。トニーが捕らわれの身となり、ニックのクルーザが夜のハイウェイを疾走する。過去の告白が交わされる車中、ミーナの救出劇が炸裂し、ビン・ファリの隠れ家へと雪崩れ込む。

アクションの銃撃と爆発は派手だが、そこに潜む人間の脆さが、ベレンジャーの低く響く声で昇華される。単なる銃撃戦ではなく、贖罪と正義の狭間で揺れる男たちの心理が、息を詰まらせる。この映画の妙味は、アクションの華やかさではなく、細やかな伏線が織りなす知的なスリルにある。

メキシコの埃っぽい風土が、グローバルなテロの闇を象徴し、観る者に倫理の問いを投げかける。ベレンジャーの老獪な演技が、娯楽を超えた深みを加える一作。静と動の均衡が、心地よい余韻を残す。

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