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プライムビデオ 不思議の国の数学者 2022公開 117分 ドラマ 韓国  ★★★★☆

主人公は天才数学者ハクソン、主演はチェ・ミンシク、監督はパク・ドンフン

韓国の名門私立高校。数学などまるで歯が立たず、落ちこぼれの高校生ジウ(キム・ドンフィ)は、夜の校舎で警備員として働く謎の男ハクソン(チェ・ミンスク)と出会う。ハクソンは実は、北朝鮮から亡命した天才数学者だった──。まず驚かされたのは、主演二人のあまりに自然で、しかし芯の通った演技である。チェ・ミンスクは、これまで『オールド・ボーイ』や『哭声/コクソン』で見せた激情型とは正反対の、静謐で知的な“沈黙の重さ”を体現している。言葉少ななのに、ふとした瞬間の目の揺れに、亡命者の孤独と数学への純粋な情熱が同居しているのがわかる。一方のキム・ドンフィは、若手とは思えぬ落ち着きで、最初はただの不良生徒が、少しずつ“知ることの喜び”に目覚めていく過程を、嘘なく演じきった。この二人、年齢差は大きいはずなのに、画面の中ではまるで同じ温度の人間同士に見える。それだけで、もう映画は半分成功していると言っていい。

ストーリーのテンポも素晴らしい。学園ミステリーであり、師弟ドラマであり、亡命サスペンスでありながら、どれも中途半端にならず、次から次へと観客を引っ張っていく。韓国映画特有の“ジャンルをごちゃ混ぜにして昇華する”手腕が、存分に発揮されていると感じた。

そして最後のどんでん返し。ネタばれになるので詳しくは書けないが、観終わった瞬間に「ああ、そういうことだったのか」と膝を打ち、すぐにでももう一度最初から観直したくなった。あの伏線回収の鮮やかさは、まさに数学的証明の美しさそのものだ。

ふと、昔観た小泉堯史監督の『博士の愛した数式』を思い出した。あちらはアルツハイマーの老数学者と家政婦とその息子との静かな交流だったが、どちらも“数学を通じて人間が救われる瞬間”を描いている点で通じ合う。今回の鍵となるのは、オイラーの公式「e^{iπ}+1=0」。高校時代、『大学への数学』の黒表紙をボロボロになるまで読みふけっていた私にとって、あの式はまさに青春の象徴だった。ところが今、画面に映し出された美しい数式を眺めても、さっぱり意味がわからず、ただただ懐かしさと情けなさだけが胸に残った。歳とは恐ろしい。

それでも、この映画は教えてくれる。数学がわかるかどうかは関係ない。誰かと一緒に“わからないもの”を前にして、ただただ感動できること。それが、人間にとってどれほど尊い体験であるかを。チェ・ミンスクとキム・ドンフィ、二人の静かな輝きに心から拍手を送りたい。数学が苦手な人ほど、ぜひ観てほしい一作である。

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