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ネットフリックス アイリッシュマン 2019年公開 210分 伝記ドラマ アメリカ  主人公はフランク・シーラン、主演はロバート・デニーロ、監督はマーティン・スコセッシ

マーティン・スコセッシ監督が2019年に送り出した、210分に及ぶ長大な伝記ドラマである。Netflix配信作として劇場公開もされたこの作品は、フランク・シーランという実在の人物の回想を通じて、1950年代から80年代にかけてのアメリカ裏社会を丹念に描き出す。

物語は、老人ホームで車椅子生活を送る老いたシーラン(ロバート・デ・ニーロ)が、自らの人生を振り返る形で進む。戦後、フィラデルフィアで食肉配達の運転手だった彼は、偶然のきっかけからイタリア系マフィアのラッセル・バファリーノ(ジョー・ペシ)と出会い、やがてその信頼を得て組織の「仕事」に加わっていく。組合弁護士ビル・バファリーノの助けでトラブルを切り抜けた後、ラッセルの下でみかじめ料の集金や、さらにはヒットマンとしての任務を担うようになる。一方、私生活では再婚し、四人の娘に恵まれるが、長女ペギーは父親の暴力的な生き方とラッセルに強い拒絶を示し、心を閉ざす。

やがてシーランは、強大な影響力を持つチームスターズ組合委員長ジミー・ホッファ(アル・パチーノ)と知り合い、彼のボディガード兼側近として深く関わる。ケネディ政権下でのマフィア追及、ホッファの収監と出所後の組合争い、そして1975年のホッファ失踪事件――これら歴史的事件が、シーランの視点から静かに、しかし重く語られる。特にラスト25分は、老いた男たちの静かな対峙と決断が、長い時間の蓄積を一気に凝縮する見事な締めくくりとなっている。

スコセッシは、従来の黒帮映画のような派手な銃撃戦や血生臭さを抑え、むしろ日常の積み重ねの中で「仕事」が淡々とこなされていく様を克明に捉える。デ・ニーロの抑制された演技、ペシの穏やかさと底知れぬ恐ろしさを併せ持つ存在感、パチーノの熱量あるホッファ像が、それぞれの役に深みを与えている。デジタル技術による若返り処理も、長いスパンで描かれる人生の連続性を支える重要な要素だ。

本作の核心は、忠誠と裏切り、家族と組織の狭間で生きる男の晩年の懺悔にあるのではないか。監督自身が、組織の力に抗いながらも、ある種の「懺悔」を作品に託しているようにも感じられる。スコセッシの円熟期の集大成として、静謐でありながら圧倒的な重みを持つ一作である。

評価:★★★★☆(5段階中4.5)

長大な尺ゆえの重厚さと、細部まで丁寧に描かれた人間ドラマに心を打たれたが、初見ではやや冗長に感じる部分もある。それでも、繰り返し観るほどに味わい深くなる傑作だ。

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