主人公は元軍人のエディ、主演はアントニオ・バンデラス
アントニオ・バンデラスが主演を務める2017年のアクション映画『SECURITY/セキュリティ』。92分というコンパクトな尺の中で、元海兵隊員のエディが、薄汚れたモールで繰り広げる壮絶な戦いを描く。監督はアラン・デロシェール、決して大作ではないが、B級アクションの醍醐味を存分に味わえる一品だ。
物語は、失業中のエディ(バンデラス)が、やっとの思いでリッジサイドモールの警備員の職にありつくところから始まる。妻に電話で報告する彼の声には、疲れ果てた男のささやかな希望が滲む。しかし、このモール、隣町の治安の悪さもあって、ただの警備の仕事では済まない。
そこに現れるのが、ギャングの魔の手から逃れた少女ジェイミー。彼女は、父親がFBIに協力したことで命を狙われる重要証人だ。モールを舞台に、エディとギャングのボス、チャーリー(ベン・キングズリー!)の息詰まる攻防が始まる。誰かはこう言うだろう。「アクション映画の魅力は、シンプルさにある」。本作はまさにその言葉を体現する。
モールの閉鎖空間をフル活用した戦闘シーンは、まるで80年代のアクション映画を彷彿とさせる。エディが同僚のヴァンスやメイソン、ルビー、ジョニーと協力し、香水売り場や園芸用品売り場で敵を翻弄するアイデアは、チープだが妙に心をくすぐる。監視カメラや館内放送を巡る駆け引きも、緊張感を盛り上げるいいスパイスだ。バンデラスの魅力は、言うまでもなく全開だ。
『デスペラード』の頃の情熱的なヒーロー像は薄れ、渋みと疲労感を湛えた中年男のタフネスが光る。彼が少女ジェイミーに「守る」と約束するシーンには、かつてのハリウッドのヒーロー像へのノスタルジーが漂う。一方で、ベン・キングズリーの悪役ぶりは、さすがの貫禄。125万ドルをちらつかせ、冷酷に部下を動かす姿は、どこか滑稽で憎めない。
見どころは、ラスト24分からの怒涛の展開。エディが保安官やギャングの手下を次々と撃退するシーンは、アクション映画の王道そのもの。ヴァンスやメイソンが倒れる中、バンデラス演じるエディは「ヒーローは死なない」という不文律を体現する。「ヒーローが死なないのは、観客の夢を守るためだ」と。
欠点を挙げるとすれば、ストーリーの単純さか。ギャングの動機やジェイミーの背景は深掘りされず、アクションのための舞台装置に終始する。だが、そんな細かいことは気にならない。アクション映画に求められるのは、頭を空っぽにして楽しめる爽快感だ。この映画は、その期待を裏切らない。最後にこう締めくくるだろう。
「『SECURITY』は、ビッグマックのような映画だ。栄養はないかもしれないが、ジャンクフードの快楽を知る者にはたまらない」。バンデラスのタフな姿を愛でたい夜に、ぜひどうぞ。
このサイトはアフィリエイト広告を掲載しています。
amazonプライムを無料で試してみる ConoHa AI Canvas
楽天市場
マイキッチン
【駐車違反警告ステッカー】の購入|オリジナル印刷・販促のWTP企画
FREE STYLE
医療美容特化ロロント
コメント