主人公は探偵のホン・ギルドン、主演はイ・ジェフン
監督はチョ・ソンヒ、主演のイ・ジェフンは、探偵ホン・ギルドンに扮し、悪名高き解決率99%の男を、飄々とした笑みで演じきる。サスペンスの看板を掲げつつ、アクションの匂いがプンプンする一作。
物語は、ホン・ギルドンの執念から始まる。20年前、母を惨殺した仇敵、キム・ビョンドクの行方を追う私立探偵だ。ファルビン党なる貧民組織のボスを気取り、人身売買の残党三人を暗い部屋に誘い込み、足を撃ち抜いて情報を吐かせる。手際がいい。得た住所は、カンウォンドの辺鄙なミョンウォル94の3。車を飛ばすが、運悪くパンク。人生とは、そんなものだ。
一方、キムは孫娘のドンイとマルスンに温かな食事を振る舞う最中、二人の男に連れ去られる。ホンが到着した家は空っぽ。戻ってきた姉妹の無邪気な片付けぶりに、思わず「お祖父さんを探してやる」と言いくるめ、車に押し込む。後を追うと廃工場。一人の男がゴミ箱に転がり、息絶えていた。血の臭いが、田舎の風に混じる。
ホンは次に牧場へ。連れ去りのドライバーを問い詰め、尾行するが、途中で誰かに始末される。逃げ足の速い男たちだ。あくる朝、宿屋に偽の検事として潜り込み、死体のチェ・テジョンの修理工場を訪れる。だが、姉妹が付きまとい、邪魔千万。「刑事だ」と妹マルスンが口を滑らせ、事態はこんがらがる。修理依頼人のビルへ向かうと、そこにファチョン署のカン・ソンイル刑事が。銃を構えるホンだが、逆に追い詰められ、何とか逃亡。宿に戻り、己の素性を知る刑事の存在に、かすかな違和感を抱く。
カン刑事はキムを拘束し、帳簿を要求。ホンは持ち帰ったカバンから、光隠会なる秘密組織の影を嗅ぎ取る。公衆電話でファルビン党のファン会長に増援を乞うが、「手が離せん」と断られる。頼りない味方だ。廃工場を偵察するも空振り。姉妹を街へ連れ、泣きじゃくるマルスンを宥め、食事の席で少しの温もりを分かち合う。その夜、宿に男たちが忍び寄るが、ホンの銃が火を噴き、撃退。朝、キムのアルバムに隠された帳簿を発見。光隠会は選挙を狙い、事件をでっち上げ支持を集める陰謀だった。
見どころはラストの22分。光隠会が広場に群衆を集め、大量殺戮を画策。カン刑事の「皆殺しだ」の言葉に、ホンとファルビン党の面々が「クライマックスだ」と応じ、銃撃戦が炸裂する。爆音と血しぶき、コミカルなドタバタが交錯。イ・ジェフンのアクロバティックな身のこなしは、実に痛快だ。
この映画は、痛快アクションドラマの体裁を借りた、泣き笑いの人情譚だ。伏線が細やかに張られ、姉妹の無垢さがホンの硬派を溶かす様は、胸に沁みる。だが、推理の深みが薄く、ただのドンパチに終わるきらいがある。それが韓国映画の魅力か。田舎の埃っぽい空気、家族の絆、復讐の虚しさ。すべてが、簡素に、しかし鮮やかに描かれる。観終わり、ビールを一口。悪くない夜になった。
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