主人公はロンドンマフィアの男ニーリン、主演はヴィニー・ジョーンズ
ロンドンのマフィア一家がマネーロンダリングの裏取引のため、アメリカ奥地のウェストバージニアへ飛ぶ。ボスのハリスとその腹心ニーリン、相棒ジェームズ、ハリスの恋人フィオナらが揃って降り立つ相手は、石油成金のプレストンと息子PJ。旧友同士という触れ込みだが、到着した瞬間から漂うのは重苦しい空気だ。
物語はすぐに暗転する。ニーリンはボスから「ジェームズを消せ」と命じられ、渋々引き金を引く。罪の意識に苛まれて酔いつぶれた翌朝、フィオナの姿が見当たらない。バーで働くカーラから預かった彼女の携帯に残されたメッセージを頼りに川辺へ行くと、そこには暴行の跡を残して浮かぶフィオナの亡骸が。ハリスは「取引を優先する」と事件を闇に葬ろうとするが、ニーリンはそれを拒絶。静かに、だが確実に復讐の歯車が回り始める。
本当の見どころはラスト20分を過ぎてからだ。田舎町の埃っぽい道を、怒りと悲しみに押し潰されそうなニーリンが血の雨を降らせる。派手な銃撃戦ではない。静かな狂気と呼ぶべき、鈍く重い暴力が続く。ヴィニー・ジョーンズの無骨な顔が、ただ黙って銃を握っているだけで十分に恐ろしい。
英米ギャング映画によくある“女を巡る抗争”という古典的な題材だが、本作にはどこか哲学的な匂いがする。復讐劇だ。復讐の果てに残るのは虚無だけ。男たちが戦う相手は外敵ではなく、自分自身の過去と忠義と裏切りなのだ。派手さはない。だが観終わった後に残るのは、どす黒い泥のような重い余韻である。
地味だが、骨太の一本。ヴィニー・ジョーンズは言葉少なで雄弁だ。復讐は男をどこへも連れて行かない。ただ地獄の底を這わせるだけである。
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