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プライムビデオ ポラリス 死闘のアイスロード 2024年公開 89分 SF・アドヴェンチャー カナダ  ★★★☆☆

主人公は幼い頃に母親を殺され北極クマに育てられた少女スミ、主演はビバ・リー

2144年の極北。雪と氷だけの世界に、少女スミがいる。幼い頃に母を失い、シロクマのムアに育てられた彼女は、人間の言葉をほとんど知らない。ある朝、森の奥から不思議な声が聞こえ、初めて木々と語り合う。立つ木、滴る樹液、まるで楽園が突然現れたかのような瞬間だ。

しかし楽園は脆い。追っ手が現れ、スミは檻に繋がれ砦へ連行される。見張りを倒して逃げ出す。崖から飛び降り、森を駆ける。老婆と出会い火の起こし方を教わり、手の甲の刺青を「ポラリス」と告げられる。給油所での凄惨な場面――老婆は首を刎ねられ、スミは人間の残酷さを真正面から見せつけられる。

それでも少女は歩き続ける。雪原でムアと再会し、捕らえた兵士の心臓を抉り出し、瀕死の異星人に移植する。蘇生した異星人はハーモニカを吹き、スミと心を通わせる。「アマネ」と名り、髪を編み合う。二人は森で遊び、笑う。この世に戦争も憎しみもなかったかのように。

ところが、ラスト20分を過ぎたあたりから映画は豹変する。兵士たちが迫り、矢がスミを射抜く。血が雪を染める。絶体絶命――そのとき、木々が動き出す。枝が伸び、根が這い、まるで生き物のようにスミを守り、敵を絡めとる。観客は息を呑む。これはファンタジーなのか、それとも極寒の地でしか成立し得ない極限のリアリズムなのか。

言葉は極端に少ない。説明もほぼない。だが映像がすべてを語り尽くす。ビバ・リーのスミは、本当にクマに育てられたかのような野生と純真を併せ持つ。異星人との無言の交流は、静かで、切なく、美しい。SFともアドベンチャーとも呼べない。ただの、ひとりの少女の神話である。

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