主人公はイタリアの自動車メーカー「フェラーリ」の創始者エンツォ・フェラーリ、主演はアダム・ドライバー、監督はマイケル・マン
1957年のひと夏を軸に、エンツォ・フェラーリの人生の岐路を描く。会社設立から10年、かつての栄光とは裏腹に財政は破綻寸前。前年に長男ディーノを失い、妻ラウラとの関係は冷え切り、密かな恋人リナ・ラルディと息子ピエロとの時間だけが心の拠り所だった。朝のコーヒーまでに帰宅するという約束を破ったことで秘密が露呈し、家庭はさらに崩壊の淵へ。レース中のドライバー死、買収の圧力、そして社運を賭けたミッレミリア参戦――すべてが一人の男の執念と脆さを浮き彫りにする。
物語は静かに、しかし確実に緊張を高めていく。レースシーンは後半の25分に集中し、公道を疾走する狂気の様相が圧倒的だ。デ・ポルテゴの車が何かを踏み、跳ね上がり、観客を巻き込む大惨事は、速度の美学と破壊の代償を同時に突きつける。マン監督らしい精密なカメラワークと音響が、エンジンの咆哮と衝撃を体感させる。
アダム・ドライバーは、エンツォの冷徹さと内なる激情を抑制的に演じ切る。成功の裏に潜む孤独と喪失が、表情の微かな揺らぎに宿る。対するペネロペ・クルス演じるラウラは、不仲の果てになお支え続ける妻の複雑な悲しみを、鋭くも哀切に体現する。彼女の眼差し一つで、夫婦の断絶と絆の残滓が伝わる。
本作は、栄光の機械と人間の脆さの対比を、贅沢に、しかし抑制を持って描き出す。派手さより深みを優先した演出が、観る者の胸に静かな余韻を残す。レースの興奮と人生の重みの両方を味わえる、味わい深い一作だ。
評価:★★★★☆(5段階中4.5)
ドライバーの抑制された演技とクルスの情感、ラースのレース描写が高評価。やや前半のテンポが緩やかだが、後半の集中力で帳消しになる水準。
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