主人公は潜入捜査官のアリ/マリク・アミン、主演はザキ・ユーセフ
移民排斥の風潮が高まる中、テロ事件から1年。国民運動党の党首マーティン・ノーデルは、メディアで移民追放を叫ぶ。ザカリアは、移民排斥の落書きを消す日々を送るが、中年男性に誘われ、狭い部屋に集う過激派の輪に加わる。リーダーのアリに預けられ、拳銃の訓練、暗殺計画の立案へ。家族に嘘をつき、郊外の隠れ家で準備を進める。イラク戦争で父を失った過去を吐露するザカリアだが、断念の機運を察知した中年男性は、アリに「最後まで見届けろ」と命じる。
クライマックスは、標的の家屋に潜入するザカリア。銃に弾が入っておらず、外に警察が待ち構える。逮捕の瞬間、すべてが罠だったと悟る。一方、アリは上司の事情聴取で、潜入捜査官マリク・アミンであることが明かされる。ラスト25分は息をのむ。選挙で第一党となったノーデルに、マリクと上司フレデリクセンがマイノリティへの酸攻撃関与を追及。テロの連鎖が、移民と国家の狭間で露呈する。
当初、移民の若者がイスラム過激派に染まる、欧州の典型的事例かと思った。だが、展開は深淵を覗かせる。ザカリアの純粋な怒りは、巧みな操縦で爆発寸前へ。潜入捜査の逆転劇は、単なるサスペンスを超え、信頼の崩壊を描く。デンマークの「息子」たちは、排外主義の産物。移民は常に「他者」として描かれ、テロは鏡像のように反響する。
日本も、少子化と外国人流入の狭間で、同じ影を宿すのではないか。静かなる警鐘として、胸に刺さる一作。過激化の芽は、日常の亀裂から生まれる。監督の筆致は、抑制された緊張感で観客を包む。ユーセフの眼差しが、ザカリアの孤独を語る。欧州の今を、普遍の悲劇に昇華させた佳作である。
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