主人公は求職中のライターのグロリア、主演はアン・ハサウェイ
いやはや、アン・ハサウェイが怪獣とシンクロするなんて、誰が想像しただろう? この『シンクロナイズド・モンスター』、一見するとB級SFの香りがプンプンだが、蓋を開ければ人間ドラマと怪獣パニックが奇妙に交錯する、なんともクセになる一本だ。
物語は、冴えないライターのグロリア(アン・ハサウェイ)が、恋人に愛想をつかされ、故郷に帰るところから始まる。そこに現れる幼馴染のオスカー(ジェイソン・サダイキス)が経営するバーで、彼女は酔っ払いながら人生をやり直そうとする。
ところが、である。ソウルの街を蹂躙する巨大怪獣が、なぜかグロリアの公園での行動とリンクしていることに気づく。手を振れば怪獣も手を振り、よろめけば怪獣もよろける。なんじゃこりゃ!この映画のミソは、怪獣映画のド派手な外見とは裏腹に、グロリアの内面――失恋、自己嫌悪、アルコール依存気味の生活――を怪獣の暴れっぷりに重ねたところにある。
ナチョ・ビガロンド監督は、怪獣をグロリアの心の投影として描きつつ、ユーモアとペーソスを巧みにブレンド。公園でフラフラ踊るグロリアと、遠くソウルでビルをぶっ壊す怪獣のシンクロぶりは、まるで酔っ払いのカラオケのような滑稽さと切なさだ。
見どころは、ラスト23分の怒涛の展開。少女時代のトラウマが怪獣とロボットの出現理由に繋がるひねりが明かされ、グロリアとオスカーの殴り合いが文字通り地球規模のバトルに発展! ここでハサウェイの演技が炸裂する。彼女の酔いどれ顔から一転、決意に燃える表情は、まるで『レ・ミゼラブル』のファンティーヌから怪獣ハンターに転身したかのようだ。ただ、惜しむらくは、怪獣と公園のシンクロの仕組みがやや曖昧な点。SF好きなら「そこ、もっと説明して!」と突っ込みたくなるかもしれない。でも、そんな細かいことは、この映画の酔っ払ったノリには野暮というもの。
最後まで観れば、怪獣のドタバタがグロリアの再生の物語と見事にリンクし、爽快なカタルシスが待っている。誰かならこう締めるだろう――「怪獣映画の皮をかぶった人生賛歌。ビール片手に観るべし!」
このサイトはアフィリエイト広告を掲載しています。
amazonプライムを無料で試してみる ConoHa AI Canvas
楽天市場
マイキッチン
【駐車違反警告ステッカー】の購入|オリジナル印刷・販促のWTP企画
FREE STYLE
医療美容特化ロロント
コメント