主人公はリチャード・ペイス、主演はピアース・ブロスナン
ピアース・ブロスナンを主人公に据えたこのアクション・スリラー、94分という短尺で、泥棒たちの珍道中を描く。リチャード・ペイス(ブロスナン)は、保険未加入の貸金庫からだけを狙う一匹狼の泥棒。相棒のリンゴ(ラミ・マレック)は黒人詐欺師で、ウィック(ロバート・デ・ニーロ)は爆弾好きの老人、ヴァイオレット(シャロン・ストーン)は東欧仕込みの女傑。三者三様のミスフィットたちが、テロ組織絡みの私設刑務所から金塊を強奪すべくチームを組む。
物語は、リンゴのナレーションで始まる。銀行の貸金庫室で、預かり物をスッポ抜く彼のトリック。無保険ゆえ被害者はFBIに届けず、静かに泣くのみ。ウィックはドラッグ工場を爆竹で派手にぶっ飛ばし、ヴァイオレットは人身売買の巣窟を華麗に蹴散らす。
やがてロサンゼルスのウェーバリー刑務所から、リチャードが脱走。追うは中東の私設刑務所王、ウェルナー・シュルツ(ティム・ロス)とその手下たち。シュルツはムスリム同胞団と結託、テロリストの釈放で事業拡大を画策。ビン・ラディン後継者アブ・ヒラワとの暗躍が、泥棒たちの運命を絡め取る。リチャードの過去も鮮やかだ。王族の偽者から高級時計を盗み、スポーツカーで逃走。実はリンゴの仕掛けだったと告白され、拒否すればシュルツの妻との浮気話で脅される。
UAEのアブダビへ飛ぶ小型ジェットで、テロの渦中へ。娘ホープとの再会が、リチャードの心を揺らす。水族館での合流、ラクダでの砂漠横断。ジャリスタンの刑務所に潜入し、金庫室をトイレ下と特定。爆破、ストレッチャー偽装、
近海脱出――前半のコメディ調説明が長引く中、ラスト25分からのアクションが本番だ。ブロスナンの渋い泥棒ぶりは見事。デ・ニーロの爆弾オヤジは、老獪なユーモアを添え、ストーンのヴァイオレットは年齢不詳の妖艶さで光る。マレックのリナゴは、ナレーションの軽妙さが救い。だが、前半は設定の羅列が冗長で、アクションの火蓋が遅い。テロの陰謀をからめつつ、泥棒たちの人間臭さが勝るハッピーエンド。ひねりが効き、娯楽として成立。ハリウッドのベテラン軍団が、こんなB級スリラーで遊ぶ姿に、妙な親近感を覚える。金塊より、心の隙間を狙った一作。次はもっとテンポを。
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