映画

プライムビデオ ザ・エクスチェンジ 2024年公開 90分 アクション・戦争 ウクライナ ★★★★☆

主人公は外科医であるオレクサンドル・テセンコ、主演はヴィチェスラフ・ドヴジェンコ

ウクライナの戦場で身代金交渉だなんて、まるでハリウッドのB級アクションのようだが、現実の泥臭い戦争をこれでもかとぶちまけた一作だ。志願兵の連中が、隠蔽壕で武器を買う金集めを相談してる最中、一人の兵士が仲間のコスチャの父親のオレクサンドルに電話をかける。

病院じゃ、オレクサンドルが手術を終えて仲間から誕生日祝いをもらってる最中だ。ところが電話が鳴り、息子のコスチャが捕虜に取られた、身代金払えと脅される。だがオレクサンドルは、ふん、と鼻で笑うだけ。

離婚した元妻の家に駆け込んで息子の安否を聞くが、「今日も連絡来たわよ、元気だって」と言いながら、オレクサンドルを罵倒しまくり。こりゃたまらん、いたたまれず逃げ出す始末だ。

一方、戦地の義勇兵どもはわな線式地雷に引っかかり、死傷者続出。そこへ敵の二人組が現れ、身柄を拘束される。

オレクサンドルが再びコスチャの携帯にかけると、見知らぬ中年男が出て、動けないコスチャの映像を送りつけてくる。5万ドルの身代金だ、3日以内に指定場所で金と息子の交換、と。

オレクサンドルは今の妻の看護師を振り切って出かけようとするが、手術した患者の父親が将軍だと知り、即座に会いに行く。将軍は精鋭部隊を同行させてやる、と言う。妻は猛反対だが、オレクサンドルの決意は固い。

駐屯地でモーツァルトとシネヴィルの二人の隊員と顔合わせ、志願兵部隊カルパチアン基地で作戦会議だ。モーツァルトが前夜に狙撃手を配置、翌日オレクサンドルが単身交換現場へ行き、戻ったら合流、と細かい指示を飛ばす。別の兵士が「もう一人捕虜がいる」と言うが、「コスチャ優先だ」と一蹴。

一方、コスチャはもう一人の生き残りと共に、ゴーストなる男とその息子セーニャに拘束されていた。翌朝、オレクサンドルが基地の一室でコーヒーを啜ろうとすると、老兵が現れ、昔話のオンパレードだ。

ある戦闘で息子が迫撃砲で吹っ飛ばされ、自分も怪我したが、息子のコスチャが助けてくれた、と。

へえ、因縁めいていて、胸がざわつくぜ。あくる日、モーツァルトの指示通り、オレクサンドルは指定場所へ。敵側じゃ、男どもがコスチャを運ぼうとするが、ハンター大佐なる野郎が現れ、「俺が直接尋問する」と別の場所へ連行だ。

オレクサンドルは30分待っても来ないので、諦めかけて立ち去ろうとすると、車からセーニャと一人が降りてきて、「もう一人の捕虜を交換だ」と。息子を返せと迫るが、興奮した一人が発砲。狙撃手が二人を仕留めるが、胸を撃たれた若いセーニャが車で逃げ出す。

オレクサンドルは飛び乗り、追跡だ。やがて一軒家に着き、セーニャが気を失う。オレクサンドルは家にあるもので腹の弾を抉り出し、応急処置。外科医の腕が光る瞬間だ。

見どころは、ラスト25分からの地獄絵図だ。オレクサンドルはハンター大佐の軍営部屋まで運ばれるが、息子を助けられたゴーストが救援に現れ、何とか三人で脱出。野戦病院でセーニャの薬を盗んで逃げようとするが、追手にゴーストがぶち殺される。

闇夜に紛れ、オレクサンドルとコスチャは基地から逃げ切り、セーニャを助け出す。息子愛のドロドロが、銃弾と血にまみれて爆発する。感想? 実話ベースらしいが、ウクライナじゃ一般人まで徴兵されて戦地に放り込まれるんだから、こんなドラマチックな身代金劇はありえねえよ。よほどツイてなきゃ、ただの肉塊だ。だがそれが戦争の醜さだろ?

父親の執念が、敵味方の若造どもを巻き込んで血塗れになる様は、胸に突き刺さる。ハリウッドの綺麗事じゃなく、泥んこ現実の匂いがプンプンする一作だ。観て損なし、ただし胃が弱い奴はビール片手にどうぞ。

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