主人公はマイアミの組織の男クーダ、主演はアントニオ・バンデラス
マイアミの陽光が、血の臭いを優しく包み込む街。そこに、クーダという男がいる。アントニオ・バンデラスが、その肩幅の広い背中で演じる、ベテラン殺し屋だ。組織の忠実な手先として、冷徹に引き金を引く日々。だが、彼の瞳には、かすかな揺らぎが宿る。娘のローラが、ドアリブの誘いを断る瞬間。別れた妻メディナが、小遣いの札束を投げ返す瞬間。家族の絆は、銃弾のように脆い。
物語は、荒くれ者のストレイから始まる。ファイトクラブで拳を交え、勝ち抜いた彼を、エステルの女が車へ誘う。クーダの待つ闇の車中。ロニー・フェネックを踏み倒し、自己紹介の挨拶代わりに拳を振るう。トランクに詰め、川辺で息の根を止める。ゴルフ練習場で、クラブを握らされ、「すべてがここにある」と諭される。金を受け取り、帰れと。殺しの流儀は、こうして継がれる。
翌朝、クーダはローラに小遣いを渡すが、冷ややかな視線を浴びる。海岸通りで、万引きの少女ビリーを助け、食事をおごり、モーテルに鍵を託す。同じく小遣いを。ストレイは管理人エリックに家賃を払い、クラブの娘と飯を食う。クーダは画廊でメディナと鉢合わせ、怒りを買う。あくる朝、ビリーの誘拐を知り、心当たりを捜索。ストレイを拾い、質屋の札束から手がかりを掴む。エステルの呼び出しで、金を納め、ミッドタウンの縄張り争いを命じられる。ストレイが名乗り出るが、クーダは質屋の尻尾を追い、フレディの手下の巣窟へ。鉢合わせの末、共闘の道を選ぶ。
見どころは、ラストの二三十分。組織からの離脱を宣言したクーダが、ボディガードに殴り倒される。そこへストレイが駆けつけ、師弟の絆が爆発する。銃撃と肉弾戦が、マイアミのネオンを切り裂く。バンデラスの老獪なアクションは、歳月を重ねたワインのよう。渋く、深みがある。
犯罪の男が、年頃の娘に手を焼く姿には、何も云えない。日常のささやかな苛立ちが、殺しの合間に忍び込む。だが、同じ歳頃の少女ビリーのために、命を懸けるクーダの覚悟は、どうだろう。組織の掟を破り、銃口を向けられる身で、父性を賭ける。英の血潮か、それとも、男の遅すぎた贖罪か。判らぬまま、スクリーンは幕を引く。ハードボイルドの香りが、心地よい余韻を残す。
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