主人公は少年セルゲイ、主演はアーロン・テイラー・ジョンソン
主演アーロン・テイラー＝ジョンソンが、獣のような眼光で少年セルゲイからハンターへ変貌する姿を熱演。監督の丁寧なレイヤリングが光るが、全体に漂うマーベル疲労感を払拭するには、もう少し毒気が欲しかった。
雪原の脱獄から始まる物語は、16年前のガーナ狩猟事故をフラッシュバックで追う。
父親ニコライの冷徹な通過儀礼中、ライオンの牙に噛まれ瀕死のセルゲイ。謎の少女カリプソの秘薬で蘇生した彼は、超人的飛躍と獣性を宿す。
ロシア極東の森で密猟者を次々斬り捨て、復讐の標的をクリアしていく。
対するは、ライノの不死身ボディとフォーリナーの影。兄弟ディミトリの誘拐が引き金となり、森の決戦へ。
見どころは後半の25分。クレイヴン対フォーリナーの肉弾戦は、息もつかせぬ獣同士の咆哮。カリプソのボウガン一閃で逆転し、バッファロー大群を率いての車列突撃は、西部劇の残虐美を思わせる一ひねり。アクションの連打は爽快だが、家族の絆や呪術要素は薄味。獣の咆哮は聞こえるが、心の咆哮がもう少し欲しかった。娯楽として上々、ただし深みは次作に期待。
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