主人公はNKVD(秘密警察)の女性エージェントのマリア・ペトロワ、主演はマリヤ・ルゴヴァヤ
戦火のモスクワ、1941年。NKVDの女性エージェント、マリア・ペトロワ(マリヤ・ルゴヴァヤ)の瞳には、冷徹な使命感と、どこか脆い人間性が交錯する。
彼女が霊能者の言葉に導かれ、「チフヴィンの生神女」のイコンを奪還する任務に身を投じる物語は、単なる戦争映画の枠を超え、信仰と人間の魂の葛藤を描く。冒頭、霊能者の予言がマリアの心に波紋を広げる。
「信仰すれば報われる」。だが、彼女の日常は裏切りと暴力に塗れている。空襲の夜、コソ泥を撃ち殺し、血に染まる手を見つめるマリアの表情は、まるで自らの罪を問うようだ。
物語は、彼女が「チフヴィンの生神女」を求め、ドイツ軍支配下の故郷トークホクへ向かう後半で一気に加速する。護衛の特別部隊は次々と倒れ、軍曹の死、裏切りの影、そして神父の導き――戦火の中、マリアはイコンを手にしながら、信仰とは何か、救いとは何かを問う。
見どころは、終盤25分の息詰まる逃亡劇。ドイツ軍の追跡、パルチザンの悲劇的な抵抗、そして森の闇に消えるマリアの姿。戦争の残酷さが信仰の光と対峙する瞬間、映画は静謐な力を放つ。
この作品は、戦争のスペクタクルを借りつつ、実は人間の内なる闘争を描いている。マリアの旅は、肉体的な逃走であると同時に、魂の救済を求める巡礼なのだ。
最初は戦争映画と見紛うが、観終えたとき、スクリーンに映るのは信仰の重みだ。マリヤ・ルゴヴァヤの抑制された演技は、マリアの苦悩と希望を静かに、しかし力強く伝える。戦火の中で人は何を信じ、何に救われるのか――この問いが、観る者の心に深く刻まれる。
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