主人公は大学教授のアルマ・オルソン、主演はジュリア・ロバーツ、監督はルカ・グァダニーノ
ルカ・グァダニーノ監督の新作『アフター・ザ・ハント』は、静かに、しかし容赦なく現代の大学という閉鎖空間を切り取った一篇である。ジュリア・ロバーツが演じる哲学科教授アルマ・オルソンは、終身在職を目前にしながら、教え子マギー(シドニー・スウィーニー)の訴えによって、過去と現在、倫理と欲望の渦に巻き込まれていく。
物語は、ある雨の夜に始まる。ずぶ濡れで現れたマギーが告げたのは、同僚ハンク教授(ケヴィン・クライン)からのセクハラだった。だがその告白は、やがてアルマ自身の過去の過ちを暴き立て、夫フレデリック(アンドリュー・スコット)との関係にも深い亀裂を生む。盗作疑惑、利益相反、ジェンダーと権力の複雑な絡まり。グァダニーノは、これまで『君臨してきた「美しき残酷さ」を、ここでは冷たく灰色の学舎に移し替えた。
見どころは、なんと言ってもラスト25分だ。終身在職が保留となり、夫とも別居。孤独なアパートに帰ると、そこにハンクが立っている。大学に戻れば、学生たちから「女性の権利を裏切った」と糾弾される。ロバーツの顔から、いつもの輝く笑顔は完全に消えている。残るのは、疲れきった目と、かすかに震える唇だけ。それでも彼女は、崩れ落ちない。むしろ、その老いと傷をさらけ出すことで、初めて「教授アルマ」という人間が立ち上がるのだ。
正直に言えば、笑顔のないジュリア・ロバーツは見たくなかった。しかし、この映画で彼女は、華やかなスターではなく、ただのしかかる年齢と責任に押し潰されそうになりながら、それでも立ち続ける一人の女性になった。グァダニーノは、欲望の美学を捨て、倫理の灰色の領域に足を踏み入れた。そしてそこに、ロバーツは確かにいた。
静謐で、息苦しく、それでいて最後には胸を締めつけるような余韻を残す。現代の学術界が抱える病巣を、これほど冷徹に、かつ優しく描いた作品は久しぶりだ。星四つ半。もう半分は、観客自身の良心に委ねられている気がする。
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