主人公は大学教授のベリー、主演はユアン・マクレガー
英国の諜報小説家ジョン・ル・カレの原作を、ジェームズ・フォルサスが監督したスパイ・アクション。
ユアン・マクレガーが演じる大学教授ペリーは、モロッコの休暇先でロシア・マフィアのディマ(ステラン・スカルスガルド)と出会う。ディマは巨額のマネーロンダリング口座を管理する男で、組織内の裏切りにより命を狙われ、英国亡命を条件にMI6へ情報を売ろうとする。妻ゲイル(ナオミ・ハリス)と共に巻き込まれたペリーは、家族の命を盾に取引の駒と化す。パリ、ベルンでの密会、偽装テニス試合、果ては山荘での銃撃戦へ――次々と転がる陰謀の玉が、夫婦の絆を試す。
ル・カレの持ち味たる、冷徹な現実主義が光る。華やかなスパイ映画を装いつつ、官僚の腐敗と個人の無力さを抉る。マクレガーのペリーは、理想主義のインテリが泥沼に沈む様を、静かな苛立ちで体現。スカルスガルドのディマは、粗野な巨漢に潜む哀愁が絶妙だ。アクションは控えめだが、ラスト25分の山荘攻防は息詰まる。銃声の合間に、家族の叫びが響く緊迫感は、ボンドものとは一線を画すリアリズム。
ただ、展開の予想外さが時に唐突に感じられ、妻ゲイルの心理描写が薄いのが惜しい。とはいえ、終盤のどんでん返し――ペリーがMI6のヘクター宅を訪れ、ディマの形見の装飾銃を渡す瞬間――は、読後感を揺さぶる一撃。諜報の闇は、英雄を生まず、ただの「背きし者」を残すのみ。現代のグローバル資本の寓話として、静かに胸に刺さる佳作。スパイもの好きに、穏やかな衝撃を。
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