この映画は、核の影が忍び寄るホワイトハウスの一夜を描く。発射ボタンが押された瞬間から、安全保障会議の面々が汗だくで飛び回る様は、実に生々しい。脚本は、ミサイルの軌道を追いかけるように、緊迫の糸を張り巡らす。米ソ冷戦の残り香を思わせるが、現代のAI脅威を忍ばせ、観客を即座に引き込む。監督のテンポは鋭く、112分を無駄なく詰め込んでいる。
特に印象的なのは、発射後の混乱描写だ。ホワイトハウス地下室で、閣僚たちが次々と意見をぶつけ合う。国防長官は地政学的リスクを、国務次官は外交的波及を、CIA長は諜報の盲点を、それぞれの役職に応じた視点で繰り出す。緊迫感はビンビン伝わる。スクリーンの向こうで、息を潜めて見守る自分がいる。汗の滴る額、震える指先、すべてがリアリティを帯び、まるで自分がその場にいるかのようだ。サスペンスの醍醐味、ここに極まれり。
しかし、ここで一抹の不満が芽生える。繰り返しだ。各セクションの視点が、これでもかと入れ替わり、細部を掘り下げる。軍事アナリストのシミュレーション、心理カウンセラーのメンタルケア、果ては大統領補佐官の倫理的ジレンマまで。すべてが「これが現実の危機だ」と主張するが、観客の心には「早く結末を教えてくれ」との苛立ちが募る。緊迫を高めるための工夫だろうが、過剰に感じる瞬間がある。荻昌弘なら、こう言うだろう。「緊迫の渦中、息継ぎの余裕を忘れた脚本は、時に息苦しい」。
それでも、この映画の魅力は、その「息苦しさ」にある。アメリカン・サスペンスの伝統を継ぎつつ、2025年の今を映す鏡だ。トランプ後の分断社会、AIの影、グローバルな不安を、ホワイトハウスの一室に凝縮。キャストの演技も光る。主演のベテラン俳優が、大統領の葛藤を静かに滲ませる姿は、胸に刺さる。エンディングは、予想を裏切りつつ、現実味を残す。観終えて、ホッとするより、背筋が冷える余韻が残った。
総じて、娯楽を超えた一作。Netflixの強み、短時間で深みを出す手法が活きている。サスペンスファンなら、必見。だが、結末を急ぐ心を抑え、じっくり味わう余裕を。緊迫の渦に飲み込まれぬよう。
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